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家庭の文化継承の役割

まぁなんて堅苦しいタイトルなんでしょ

それはさておき、先日のお彼岸
「おはぎ」食べましたか?

「おはぎ」作り方、知っていますか?

インターネットで検索すればちょちょいっと出てくる今日…

「作ったよ!」と言われる方もいると思います。
今日は娘と一緒に作った「おはぎ」の話


我が家は私の両親、私、娘の3世代の家庭です
(パパどこ行った?そう、私はシングルマザー)

私が幼い頃から、母は季節の行事ごとをとても大事にする人でした

貧しいながらもお祝い事にはナイフをフォークを使う料理を工夫して食卓に並べ、マナーを教えてくれました
正月のあつらえ、お盆の支度、祭の料理やご近所さんへの心遣い
その流れ、由来、食器の位置の理由、などなど
当たり前のように見聞きし、体験し、経験に変えていきました

年月はたち、私が保育士になってからのことです

若い保育士さんももちろんのこと、私の世代の保育士でも日本の行事ごとについて知識を持っていない人が多くいることに驚きました

子どもの育ちに関わる人間がそうなのだから、一般家庭で日本の行事ごとの理由を知り、それを子どもに、体験を通して伝えている・・・というのも少数派で

だからこそ、行事ごとで給食の先生が出してくるメニューに関しては特に、周囲の保育士さんたちに由来を伝え、それを子どもにも伝えるようにアドバイスをしたこともありました


そして、今、保育の世界を離れて我が子のためだけにそれをするようになってから
今年のお彼岸は少し興味深いことが起きました

行事の料理は必ず我が子に手伝ってもらって作ります

我が子も高校2年生ですが、そういうことには興味を持って自ら手伝ってくれます

一通り作り終わって、さあ食べようかと配膳していた時
我が子がおはぎをひとつ白い皿に載せてどこかにいきます

我が家には仏壇はないし、何してるんだろう?と追いますと

神棚

そこに徐に皿を置き
2礼2拍手1礼
私も慌てて、我が子の動きに合わせます

我が家は「神道」というわけではありません。日本のどこにでもあるクリスマスも正月も祝う一般的な「ごちゃ混ぜ信仰」の家庭です(笑)

ぼそっと「彼岸って、仏さんの行事じゃん?」と私が言いますと母が
「ええんよええんよ、その気持ちが大事じゃと思うよ」

なんだか、心がぽかっと温かくなりました

母や(我が子にとってばおばあちゃん)私が、我が子に見せてきた積み重ねというものが
確実に我が子に継承されているのだな・・・って


今、いろいろなビジネスセミナーとかマナー講習とか見て回ったりしています。

その中で、少なからず「なんでそんなことを人に教えてもらう必要があるの?」と思うことがあります。
でも、それは私がたまたま、当たり前のように母や地域から継承してきたことだったんだな・・・と気付かされました。
当たり前が、当たり前に身に付かなくなってきていて、それを「教えてもらう」「自ら学ぶ」というアクションを取らないといけない人たちがいるのだなって。

同時に、継承されなくなったからといって、やはり知識として、マナーとしては「必須」であったり、それらを知らないことによって「困る」ことがあるから、講座だったり、セミナーだったりが成り立つのか・・・とも思いました

核家族だったり、(特に)母親が孤独に陥りがちな現代の子育てで、私は田舎に住んで、シングルマザーで両親と一緒に過ごしていくことで、我が子にもその「当たり前じゃない当たり前」を自然に受け継がせてもらえていたことに、改めてありがたいな・・・という気持ちになりました。

日本の文化というものは、地域によって色々な違いがありますし「絶対これが正解」というものは実はないと思っています
食文化なんて特に、企業がプロモーションのために全国に広めたもので「理由が実は違った」「実は外国からの文化だった」なんていうのもよく見ます

時代によって、文化は変化をしていくものですが「どこかに習いにいく」ではない「自然な継承」をするためには、家庭教育というものはとても大事なのだな・・・と我が子の育つ姿を見ると痛感させられます

そして、我が子が親になった時に、母や私がしたのと同じように「とても自然な形で」子どもに継承していってくれるといいな・・・という期待も、心のどこかにちょっぴり芽生えた、そんな今年のおはぎ作りでした。


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