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お茶碗についたご飯粒と刺身のツマ

膨大な量の廃棄食材を前にして焼け石に水の自己満足であることは百も承知だけど、出された食事は余程のことがない限り全て食べる主義だ。お茶碗にこびり付いたご飯粒は箸で摘んでもなかなか取れないけど頑張ってひとつ残らず食べることにしている。

昔の職場での、色んな呼び名の◯◯会という飲み会、お客様との料理を囲んだ勉強会やパーティーなど、絶対に食べきれない量なのにテーブルの空きスペースを埋め尽くせとばかりに盛りに盛ったオードブルなどを見る度に、世界中に飢餓や食糧難で苦しむ人たちが居るのに…という以前に「なんて勿体ない。バチが当たる」と思っていた。

今の時代、車も服も何でもシェア流行りで無駄な買い物をなるべくしない流れにはあるけど、食べ物だけはそうはいかない。今はコロナ禍で宴会も自粛だけど、昔は皿に乗った食材が減ってきたらどんどん片付けて次を注文するのが気の利く奴だという妙なルール?があって、食事を楽しむ余裕などなく、ひたすらお客様や先輩たちのグラスやお猪口の空き具合と、絵皿の隠れた模様の見え具合を気にしていた。

それでも、皿の上に残った肉や魚は、もう無理と言いながら誰かの口に入ることが多かったけど、付け合わせのレタスやキャベツや刺身のツマ(大根)は殆ど誰にも手を付けられないまま下げられてしまうことが殆どだった。ただ添えられただけのそういう野菜たちが僕は好きだったから、下げられてゆくのを目で追いながら、あ〜あ、食べたかったなーといつも思っていた。

そこだけは僕に似たのか、うちの娘も刺身のツマが大好物だった。亡妻が料理上手だった血を引いたのか娘も高校卒業してから料理が得意になり、結婚してうちを出るまでは良くおいしい料理を作ってくれた。彼女は今、相模原で自分の希望で専業主婦をしている。夫婦ふたりの食卓にはたまには彼女が作った刺身のツマが乗っているだろうか?

#ご飯粒
#もったいない

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