小説:Backwash Detonation 001 プリミティブ・コンストラクト
「これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関」
− 蝉丸 −
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目覚めてから最初の一呼吸。
清々しい新鮮な空気とは裏腹に私の周囲では重苦しい空気が漂っていた。
周りの景色の白さから私は病院にいるようだった。事故?怪我?病気か?
押し寄せる疑問に私は体を起こし、自身の健全性を確認しようとした。
少しぼやけた視界に声が迫ってきていた。
心配そうな女性の声で
「・・・霧島さん」
名前を呼ばれた方を見たが、知らない女性が近くに立っていた