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東方天乙統女について三十路の子持ち女が語る【ヒプノシスマイク】

平成女オタクネット史とか書きたいといったな
あれは嘘だ

いや、嘘じゃないけど今週出たヒプマイ公式ガイドブックに殴られた話をさせてください。(最新ネタバレしかないのでNGな方はお戻りください)
ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- Official Guide Book 初回限定版


いろいろと叫びたい萌えはあるのですが、今回はいま一番引っかかってる東方天乙統女について書こうと思う。真面目に。
まず前提として、私は観音坂独歩推しのシンジュクディビジョン麻天狼ファンであることを記しておきますね。ポッセ愛は並程度です。

かねてから考察され、コミカライズで匂わせをしていた東方天乙統女と有栖川帝統の親子関係がついに明かされました。
父と母の名から一字ずつとって帝統。有栖川は乙統女の母方の実家。
今回のドラマで描かれた出来事を帝統視点で整理すると、帝統が3歳前後のころに母・乙統女が父と祖父の違法行為を告発し東方天家は一家離散。自身は母方の祖母に連れられ有栖川家に入ることになったと。
……帝統3歳でよかった。これが小中学生なら学校生活えらいことになる。(参考:消費税ができたときの首相孫の話)

乙統女さんは政略結婚の話が出たときに絶望したものの、蓋を開ければ帝さんこそがはじめて自分を肯定し味方してくれた希望そのものだった。
この大逆転めっちゃ好きですね。誰も反抗できなかった豺狼を抑えて、乙統女の願いを叶える帝。かっこいいじゃないですか。子宝にも恵まれて、かつて拒絶しがちだった両親の語る女の幸せを享受する乙統女。しかし、ここからまた父と夫の違法行為発覚という絶望の谷に落とされるわけです。
これは絶望の中の希望的観測の個人妄想ですが、帝の汚職のはじまりは乙統女の政党結成を叶えるために豺狼と交わした取引だったとしたら、まだ救いがありますね。
「帝統に誇れる父親でいて」と夫に自首を進言する乙統女さん。
これが子なし夫婦だったなら秩序より夫をとる選択肢も充分あったかもしれないな。(間桐桜の味方になる衛宮士郎的な)
こんな一家離散で親子が別れれば、東方天乙統女は姓を変えた有栖川帝統に無闇に会いに行くことはないでしょう。むしろ父と夫が犯罪者というスキャンダルを抱えた女性政治家としては、家庭というプライベートを断捨離して仕事に全力を尽くすことで10年間も党首の立場を守ることができたくらいかもしれません。

さて、そんな彼女・東方天乙統女へ私が抱く引っかかり。
それは飴村乱数の扱いです。

勘解由小路無花果が彼をモノ呼ばわりするのはまあ理解できるんだが、東方天乙統女=幸せな出産を経験した女がクローンを軽々に扱えるだろうか。
母親とは「とにかく誰も死んでくれるな」という思いが強い生き物だ。戦場に赴く男らに怒りを抱く女をなにかとみかけることはないだろうか。ぱっと思い出せた作品例としてfgoの茶々を挙げるが、一般的な戦争映画でもみることはあると思う。私も娘ができてからは進撃の巨人のようなメインモブ問わず大怪我したり死亡したりというシーンが多い作品に多少の生理的嫌悪感をもつようになった。
つまり、人を愛し生命の営みを経た人間が「真正ヒプノシスマイクとクローンを利用する」選択をしたということが度し難いのだ。
父と夫を捨て、子を捨て、戦争がおこるなかで女性政治家を続け、ヒプノシスマイクという力を手に入れてクーデターを成した彼女はかつてあった幸福な家庭を築いた女の記憶と思い出をも捨て去り、修羅と成り果ててしまったのだろうか。


……とまぁ三十路女の感想なんですが、そもそもライター百瀬氏がそこまで考えて書いてる保証がないのがこのヒプマイというジャンルなんですよね。
シナリオ考察の基準がFateだと生きづらいわよ。(自戒)

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