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早く私もテレレテッテッテーしたい

ゲームが下手くそな私は、友人から借りたRPGを一生懸命やってみたものの、何故か倒せないモンスターを前に、途方に暮れていたことがある。初期装備のまま闘っていたらしく、武器屋でより強い装備を購入しないと倒せない代物だったらしい。

人生というリセットがきかないゲームにおいて、自分はずっと初期装備のまま彷徨っている気がしてならない。皆はライフステージをどんどん上がって行っているのに、私は…と後ろ向きになることもある。

しかし、だ。

自分には才能も金もコネもキラキラステータスもないオヨヨ…、とメソメソしていても時間は過ぎていくし、おそらくメソメソするだけでは何も始まらない。誰もヨシヨシ、ぎゅーとはしてくれないしそんな世界が許されるのはなんか小さくてかわいい生き物だけなのである。
ちなみにちいかわは見てすらいなく、イメージで語っている。間違っていたら申し訳ない。

閑話休題。

生きているだけでは基礎体力は落ちていくし体重は増えるばかりである。

過日行った洋服屋の試着室で自分のわがままボディに愕然とした。
周囲は気をつかってそんなことないよ、とギューまではしてくれないがヨシヨシしてくれて、私は小さくなく可愛くない生き物でも優しい世界は作れるのだ、と実感したが、己の肉体を直視した結果、凹凸のない肉体に愕然とした。メリハリのメもなく曲線もなくただ土管のように存在する、タイトなジーンズにねじ込めない、私という名の闘っていない、ぬるま湯に浸かったボディ。

そこで私は筋トレをすることにした。

腹筋、割りたいのである。

腹筋、割りたいのである。

何故なら、かっこいいからである。
それ以外の理由は、ない。
かっこいい女が一人くらいいてもよかろうと思う。ラオウみたいな女が一人いてもおかしくない。世界は広い。ラオウは冗談だけれど、体が変われば自信がつくし、ちょっとしたことでも動じないメンタルが手に入りそうだ。

誰に見せるわけでもないが、縦線の入った、くびれのあるお腹。きゅっと上がった尻が理想である。ハリウッドで活躍するアクション俳優のような体や、ライザップのアフター画像のような体。とはまではいかなくとも腹筋の線が浮き彫りになるくらいに仕上げたい。
そして一狩り行けるくらいの体力を持ちたい。

ミラジョボビッチを目指して。
屍を超えて見える高みを目指し、とりあえずはパソコンの隣に置いているさくさくパンダと涙の別れを告げる。


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