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聖書物語【随時更新中】

○旧新約全書が人類の持ち伝へて来た最も古い聖典の一つであつて、その中
には大古の思想や信仰やいろんな文化が跡づけられる貴重な文書であるのは勿論、「救世主」の予言と観念とが自ら孕まれて来て、遂に神の子イエスキリストを地上に産み、これが基督教なる一大宗教にまで発達して、世界の文化の一つの大きな潮流となり、今日の文明をも支配しつゝあるのは実に驚嘆すべき事実であると云はねばならない。

○この一種不可思議な聖典を一般の童幼婦女子にも容易く理解させるやう
に、その要領をかい撮んで通俗平易な文体で書き砕いて一つの物語本に編み
上げるのは可也必要な、又有盆な事だと思ふ、そうした事から思立つて、相当信用の置ける米国の或る牧師の著書に準り最初に旧新約物語を書上けたのはもう彼此二十年の昔の事である、暫らく絶版になつてゐたのを、昨年の大震災後の書籍の復興の機運に会し、あのまゝ滅燼させて了ふのは惜しい事だと思ひ、前のを殆んど書き換へる程の意気込で、文体も何も改訂して、殆んど新たな面目を以てこの度世に見えさせる事にした、有害無盆の書物も坊間に少くはないが、この物語などは、やはり無害有盆な書物の中の一つである事は、今も昔も渝らないものと丈は確信を以て云へるであらう。

○一九二四年九月

○編者


旧約物語

楽園

罪の初

洪水

バベルの塔

長の旅路

神の契約

活ける者の井

火の雨

射る人

人の犠牲

求婚

家督

天階

角力

売られたる人

夢占

季の弟

銀の杯

再会

葦の舟

焔の神

血の流

雲の柱

海の中路

十戒

黄金の牛

神の天幕

祭祀の式

飲酒の咎

贖罪

カナンの葡萄

旅の終

ものいふ驢

モーゼの訣別

ヨブの話

緋の綱

エリコの壁

金の棒

征服

老勇者

血の復讐

岸の祭壇

左利のエホデ

婦人の功

キデオンの三百騎

エフタの誓約

勇士サムソン

ダンの偶像

落穂拾ひ

神の申子

贖罪所

士師の終

撰まれし王

即位

王子ヨナタン

サウロの罪

ベテレヘムの牧羊者

巨人

投鎗

ヨナタンの矢

ベテレヘムの水

サウロの生命

サウロの最後

弓の歌

桑樹の物音

王の者の跛者

予言者の羊の話

不孝の児

椽の樹の枝

復位

死の天使

ソロモン王

賢き審判

神の殿

ソロモンの治世

王国の分離

祭壇の灰

豪雨

神の招き

傷ける予言者

葡萄園

征矢

焔の車

エリシヤの泉

油の壺

シユネムの夫人

イスラエル少女

神軍

癩病人

戦士エヒウ

勝利の矢

イスラエル十族の末路

ユダ王

幼王

大予言者

ヒゼキヤ王

律法の古書

愁歎の予言者

谷の枯骨

人に鑿られぬ石

炉の幻影

壁上の文字

獅子の檻

楽しき帰路

新しき殿

美妃エステル

旧約書の編纂

エルサレムの壁

聖書会


新約物語

香壇の天使

ベテレヘムの槽

主の殿

野に呼る人

サタン

婚筵の水甕

古井のほとり

最初の説教

大漁の網

奇異

麦の穂

山上の説教

高価の香油

譬喩譚

少女の復活

舞踏

大饗宴

母の願

イエスの栄光

小児

構盧の節

生来の盲目

善き牧者

蘇生

放蕩息子

富人と貧人

神の国

下山

殿の終

橄欖山

最後の晩餐

橄欖園

荊の冠

闇黒世界

復活

岸の人

最初の教会

美の門

天罰

殉教者

車中の貴人

天の声

異邦人の洗礼

鉄門

最初の宣教

獄中の歌

アレオ丘

コリント

アルテミス

訣別

石階の説教

獄中の二年

アグリツパ王

難船

パウロの最後

神坐

神の市


※この作品はパブリックドメインです。 著者|中村吉蔵(1877-1941)

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