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闘鷲降臨~反撃と復活の狼煙(23-24Game38-39) #FE名古屋

体勢は整った。さあ反撃だ。


Game1 FE名古屋 94-72 佐賀

Review

  • 三遠を追い詰めながらも追い越せなかった水曜日。それでも89点取っての負けは自信にしていい内容。仕上がりつつチームに加え、小中先生の予測モデルにもある通り、相手関係も明確に楽になっていく流れ

  • 一方の佐賀はハレルソンを欠きつつも粘り強く戦って5割前後を維持。ハレルソン帰還で本来の戦い方が出来そうなだけに、波に乗っていきたいところ

  • 佐賀の大きな特徴は帰化アジア枠にハレルソンを置くことで外国籍PGであるガルシアの能力を最大限に発揮させることにある。この2人を30分程度は同時出場させて、残りの10分はon2でつなぐ、がセオリーではあるが、ハレルソンも含めたビッグマン3人はプレーエリアの広さはともかくけして頑強なタイプではない。攻撃においてはそこを突きながら、守備においてはこちらも3ビッグ構成でヘンリーやJJをぶつけてガルシアをスローダウンさせる、このあたりがFEの勝ち筋になるだろうか

  • 1Q序盤。ここのところの試合と違い、攻撃のギアがスムーズに回る。JJのシュートタッチが戻ってきているのが頼もしいところ。が、取った分取られる形なのが難点。しかも、5本すべてインサイドでのレイアップを決められたものだけにちょっと守備がハマっていない感があったのだろう、点差は大きく広がってはいないものの、早めの修正を期してタイムアウトをとる川辺HC。点の取り合いは1Q中盤、お互いにセカンドユニットに選手を入れ替えてからも変わらない。佐賀の狩野が3Pを決めれば、名古屋Dでの元チームメイト笹山も3Pを決め返すなどお互いに流れを手放さない展開。それでも、オマラとヘンリーのペイントアタックを軸にじわじわと差を広げて29-24とリードで2Qへ

  • 2Q序盤もあまり状況は変わらず。相変わらずスムーズな攻撃で得点は伸びるFE名古屋ではあったが、2Q残8分あたりから得点が止まると、0-13のランを出されて逆転を許す。その後オマラのインサイドを中心にFEが攻撃を立て直すと再び競り合いの流れとなったが、残り1分からが笹山劇場。JJからのアシストで3Pを沈めると次の守備ではチャイルズからボールを奪ってそのままレイアップ。さらに最後の相手の攻撃を抑えると走るルークを見逃さずにボールをフィードしてブザービーターを引き出し、5得点2アシスト。最後1分半での9-0のランを先導して53-44といい形でハーフターン

  • お互いに攻撃はそれなりに機能しているが、守備がハマり切らない展開。3Qもあまり変わらず、点の取り合いが続く。点差は最大でも11点、最小でも6点だったからお互いに一歩も引かない、ということではあるだろう。むしろ引かないようになったことに成長を感じるとも言える。突き放せそうになっては取り返されるというもどかしい展開でもあったが、なんとか8点差で3Qをしのぎ、終盤へ

  • この日のFE名古屋の攻撃の好調はアシストの数に顕著に表れていた。3Qまででのアシスト数、実に23。これまでなら2試合でこの数字でもおかしくなかった。バスケの質が変わったわけではなく1on1もどんどん使いながらだが、ペイントタッチ⇒外⇒ペイントタッチ⇒外や中でフィニッシュ、という形が上手くいっての展開には手ごたえがある。あとは守備がハマれば、というところだったが、じわじわと上げてきた守備の圧力がようやくここで効き始め、相手の攻撃が大きくスローダウン。一方でFEの攻撃は緩まず、ここで15-4と大きなランでオフィシャルタイムアウトを迎える形に。その後の2分余りはゆったりとしたペースで時間を消すと、最後は相馬根來満尾の試運転に回し、根來の3Pシュートが飛び出すなどの盛り上がり。最終的にアシストは32を数え、今季初の90点台での快勝となった

Rating

3 ルーク 6.0
ハイポストからのパスが猛威を振う
6 根來 –
あの3P成功は「ご褒美」だったかな
8 佐土原 6.0
精力的なボールプッシュにアシスト、そして守備とオールラウンド
10 杉本 6.0
危機感見える動きだった。しっかり得点積んだのもgood
11 ヘンリー 6.0
もうちょい安定感ほしいけど切り開く力は貴重
13 中村 6.0
攻守でしっかり機能
15 川嶋 6.0
ベテランの安定感
16 満尾 –
次は2Qで出番もらおう
18 相馬 –
シュートも打って上々の試運転
21 笹山 6.5
前半リードの立役者。狩野とバチバチ
22 JJ 6.5 PotG
復活。やはり彼が点を取れてこそ
54 オマラ 6.5
得点リバウンドもだが7アシストが見事。活かし活かされた
HC 6.0
4Qの結果はある意味粘り勝ち

Game2 FE名古屋 80-74 佐賀

Review

  • 前日はシーズン1の快勝となったFE名古屋。ITVでは川辺HCが「佐賀さんは今日は上手くいっていなかったから色々変えてくるだろう」という風に言っていたが、その通りに修正力が試されそう。…などと思っていたら、エヴァンスルークがベンチを外れ、突如としてスクランブルモードに。逆に、前日33分コートにいたルークが絡むスカウティングが水の泡となった佐賀も大変といえば大変。変えたいチームと変わらざるを得ないチーム、変化してくる相手にどちらがよりアジャストできるかのGame2

  • 1Q。いきなりエンジン全開の佐賀ガルシアに対し、頭に血が上って秒で2つのファウルを犯してベンチに引っ込むヘンリー。今日はダメっぽい。替わりに牽引したのが昨日復活を果たしたJJ、そして本日はルークの代役としてプレー時間が長くなりそうな佐土原だった。特に佐土原はピック&ダイブでレイアップで加点という外国籍選手バリのファーストショットを決めると、外のシュートもドライブも積極的に行ってチームを引っ張り、このQチームはなんと30点。ただ、今日は負けられない佐賀は5/8という高確率で3Pを決めて追いすがり、30-24と今日も殴り合いで1Qを終える

  • ホームで連敗したくない佐賀。このQはルーク不在とヘンリーの不安定さが相まって苦戦。特に、日本人選手がマッチアップすることで明らかに息を吹き返したガルシア。このQはなんと16得点。かれの推進力に引っ張られた佐賀は守備も粘り強くFE名古屋のインサイドアタックを抑え、残1分半のところで40-46と2ポゼッションのリードをとる形に。が、ここで存在感を見せたのが相馬だった。川嶋のアシストを受けてこの日1本目の3Pを決めきると、さらに終了前にも同点となる3Pを放り込んで、怪我明けのベテラン復活で48-48の同点ターン

  • ある意味では同点からの仕切り直しとなった3Q。調子がイマイチのヘンリー、前半ガルシアとマッチアップして一杯一杯になっていそうな川嶋に休みを与え、笹山相馬佐土原JJオマラの構成でスタートしたのだが、これが裏目。最初の得点こそ上手く積めたものの、その後イマイチ緩い守備と、もっと緩い2つのターンオーバーを得点に結びつけられて2-8と走られ、タイムアウトを取らざるを得ない状況に。その後中村を投入するものの今度は攻撃のリズムが出ず、6点ビハインド前後での攻防が続く。攻防というか、お互いに攻撃はあまり決まっていなかったので守りあいといった方が正しいかもしれない。お互いにフラストレーションとファウルを溜め、ジリジリするような展開が続く中、またもチームを救ったのは相馬。7点差の状態から3Pを決めると、フィーラーのテクニカルによるFTもきっちり決めて一歩前進。残り3分をしっかり守ったチームは0-8のランで半歩だけリードを奪い返して最終Qへ

  • 最終Q、先にリードをとったのはFE名古屋。佐土原とヘンリーの得点でリードを8点まで拡大。が、ここで今日はイマイチ良くないヘンリーがターンオーバーの後に井上に3Pでアンドワンを与えてしまい2点差になりタイムアウトを余儀なくされると、いくつかお互い守りあった後で、佐賀のポゼッションでもうほぼ24秒となるだろうと思われた角田の投げ上げたボールがリングに吸い込まれて逆転を許すことに。奇跡のショットに沸くホームアリーナ、これは負けパターン…と思わせたが、ここで三たびチームを救ったのが相馬だった。1つ目の3Pこそ決まらなかったものの、佐土原がもぎ取ったオフェンスリバウンドでできたチャンスで今度は決めきって再度逆転。さらにオフィシャルタイムアウト明けには中村がリムアタックでガルシアの5つ目のファウルを引き出し、FTを決めきって3点リード。さらにJJが3Pを決めて6点差とすると、この日はしっかり時間を使いながら得点を積んで押し切り、敵地でのダブルを達成した

Rating

6 根來 –
連戦だったらもう少し使われてたかな
8 佐土原 6.5
自分が引っ張るというオーラが背中から出ていた
10 杉本 5.5
あのFT2×はダメ
11 ヘンリー 5.5
君の敵はガルシアだけではないのよ
13 中村 6.0
ちょっとしたミスはあったけど、終盤しっかりプレーしてくれて助かった
15 川嶋 6.0
彼じゃなかったらガルシアにはもっとやられていた
16 満尾 –
この中断期間は勝負の時間ですよ
18 相馬 6.5 PotG
決めた3Pはすべて重要なタイミング。守備の強度も戻りつつある
21 笹山 5.5
この日については3Q入りのゆるふわがすべて
22 JJ 6.0
ようやく完調になりつつある。攻守で貢献
24 鍵冨 –
この中断期間は勝負の時間ですよその2
54 オマラ 6.0
さすがにマークきつかったけど、それでももう少し決めてほしいところ
HC 6.5
この後間隔が空くことを見越して割り切った考えの好采配

Impression

  • 相馬復活。チームとしては、水物の外のシュートは「誰かの当たりを待つ」ことになりがちなので、守備強度を下げずに当たりを待てる選手が増えて心強いことこの上ない

  • 佐土原覚醒。Game2のFGA19で20Ptsはまあ特殊例としても、明らかにボールを持った時のプッシュや仕掛けが増えたことに成長を感じる。目指せ代表

  • 地味に伸びているのが中村浩陸で、先月末辺りから「時間を使うゲーム」としてのバスケットボールへの意識に目覚め始めた感がある。終盤5分を任せられる存在に成長できるかもしれない

  • そんなわけで天昇も超がんばれ。満尾も鍵冨も。この中断期間は終盤戦に出番をもらうための最後のアピールの場になる

  • チームとしても少し攻撃に自信がついてきたか、年末の秋田戦~三遠2連戦(1勝6敗)が平均得点61点だったのに対し、その後の8試合(4勝4敗)が平均得点79点。負け試合でも80点を取るなど、連敗もあったものの明らかにプレーが変わったと思わせる

  • どの辺が変わったかは中断期間にゆっくり見てみたいと思うんだけど、印象だけでいうならミドルエイト(オフェンス開始9秒から16秒)でシュートを打ち切るケースが増えたような気がする。以前なら躊躇して作り直して結局タフショットだったところ、思い切りが良くなったというか

  • ペースが上がったことで失点の実数自体は増えてはいるんだけど、今回のGame1の4QやGame2の後半のようにじっくり戦うこともできるわけで、単純に対応可能なペースが増えたということは喜ばしい。『点が取れなければ勝てない、守れなければ勝つ資格はない』である

  • これで中断期間に入り、成績は18勝21敗となった。ちなみに昨季の39試合時点での勝敗は19勝20敗だったらしい

  • なお昨季はそこから3勝18敗という地獄のような展開だった。エースが慢性的な膝の怪我で五体満足で戻ってこれないことが確定、そこをカバーするような選手も出てこなかった昨季と、序盤はルークという柱を欠き、中盤も小さな怪我人に悩まされながら粘り抜いてようやく攻撃が完成しつつある今季とでは伸びしろに雲泥の差があるけども

  • もっとも、2週スキップの中断期間は、ラストスパートに向けてまたとない調整時間であることはほとんどのチームにとって同様で、「これまでより成績が残ってないチームが相手だから楽」というわけではない。むしろ、楽だと思ったら負け、まである

  • このリーグで結果を残そうと思ったら「もう十分」なんてものはない。この中断期間も血肉にして、「今季一番成長したのはわれらがチームだ」とブースターが胸を張れるような結果を残してくれれば、こうやって見守っている側としては本望だ

Photo by ばんばん

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