2階のベランダ

　それは私が2歳頃(たぶん)のお話。記憶が定かではありませんが、なぜかその時の景色は鮮明に記憶に残っています。

　私は小さい頃、コアラのマーチやパックンチョを食べるのにハマっていた時期がありました。実家に住んでいると祖父母が好きなものを買ってくれるため、そのお菓子たちは常に実家の仏壇に上がっていました。

　そんなある日、確か春過ぎの涼しい日の午後でした。私は2階でコアラのマーチを食べていたと思います。当時2階にはベランダがありました。そこにある柵はすごく簡易的なもので、大人の体でも簡単に通れてしまう柵でした。

　私はそこで外を眺めながらコアラのマーチを食べていました。その日はなにを思ったのか、口に含んだコアラのマーチをぺっと吐き出し、外に落ちていく様子を眺めていました。

　そしてあろうことか、私は地面に落ちたコアラのマーチを取ろうと身を乗り出してしまったのです。その瞬間・・・

    ------- "ドンｯｯ"----

　さっきまで見えていた景色はぐるぐるぐると回り、頭から落下した後、気づけば私は仰向けで草が生えかけている土(あれは恐らく隣家の畑)にいました。

　私が母の視界から消えたことにすぐに気づいた母は、これまた裸足のまま2階から飛び降り、私を抱きかかえて名前を叫んでいました。

　それからその一連の流れに関する記憶は一切ありません。母の話では病院に行き、脳の検査もしてもらったらしいです。結果、命に別状がないどころか、傷一つなかったとのことでした。母も畑という柔らかい土の上とはいえ2階から飛び降りましたが、捻挫や骨折などの怪我はありませんでした。

　それが原因かはわかりませんが、私は物心がついた時から数々の不思議な体験をすることになります。他の皆さんと比べてどれくらいの数かはわかりませんし、私よりも多くの不思議な体験をした人もいるかもしれません。さらに私は恐らく人とは違った感性で、物事を見ていくことになります。そんな話はまたいつか、ここで話していきたいと思います。

　読んでくれた皆さん、ありがとうございました。初投稿となりましたが、今後も更新していきたいと思います。ぜひまたお越し下さい。

碧