見出し画像

線路の上

 これもまた2歳〜4歳の頃のお話です。すごく短いお話になります。

 私は昔、線路に程近い家に住んでいたことがあります。面倒くさいですが、出かける際は必ず線路を通らなければならないような立地でした。その線路は一直線になっていて、踏切に立つと遥か先までまっすぐ見通すことができます。

 ある日家族で出かける時、私は車の助手席側の後部座席に乗り込みました。当然その踏切を通ります。でもその時は違ったのです。踏切に入った瞬間、あたりはスローモーションのようになり、左側の窓から一直線に伸びる線路を見ました。するとその線路の上には、表情が見えないほど深くフードを被り、足先まで丈の長い黒コートを着た男の人(なぜか男の人という印象です。)が立ってこちらを見ていました。恐怖感も、違和感もなく、なんでこんな暑い日に長いコートなんか着ているんだろう、そんな風に感じていました。

 その日のうちに両親にそのことを伝えましたが、当然信じてもらえませんでした。私は特に違和感は感じなかったので、線路の上に人がいたよくらいに話してみましたが、信じてはもらえませんでした。

 みなさんもこのような自分にしか見えない、感じない。という体験をしたことはありませんか?こういうのってどうして起こるんでしょうか。それも幼い時ほど多いような気がします。不思議ですね。

 短めですが、今回はここまでです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?