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白いブラック企業の「まともな面々」

これまで白いブラック企業の暗黒面ばかりにフォーカスしてきたが、所属員の100%がとんでもない人間というわけではない。白いブラック企業を支えている「まともな面々」もいるのである。当たり前と言っては当たり前のことである。「まともな人」がゼロであれば営利組織として成り立たない。10%の「まともな面々」が90%の残念な人たちを支えているのだろう。さて、今回はそんな白いブラック企業でサバイブしている「まともな面々」について書いてみたい。

白いブラック企業は、最初から白いブラック企業ではない。
昔のことを聞く限り、かつての白いブラック企業は熱意ある社員たちで溢れていたようだ。時の経過によって組織(この白いブラック企業)というものは反映し、衰退し、そして滅びるものなのだろう。今はその滅びのまさに一歩手前、いつ滅びてもおかしくない衰退期の最後の時期にきているのだろう。
この白いブラック企業の「まともな面々」とは、この組織がまともだったときの残党とその末裔なのである。ゾンビドラマの「ウォーキングデッド」の生存者たちと同じく、無数のゾンビが蔓延る世界で生存者たちはコロニーを作って生きている。あるコロニーは日々細々とゾンビの攻撃を巧みに回避し、あるコロニーは「まともな思考」を持った指導者の下、ゾンビたちと戦っているところもある。

しかし「ウォーキングデッド」の世界と同じく、年々、生存者たちのコロニーは減ってきている。消滅の仕方も「ウォーキングデッド」さながらにリーダーが死亡(左遷や離職、定年など)するとあっという間にゾンビ王国になるのである。リーダー亡き後、多少の抵抗はするものの組織的な抵抗でないため、ゾンビ軍団によって駆逐されてしまう。抵抗するものは徹底的に攻撃され、粛清されていくのである。中には単騎になっても清く正しく生きている強者もいるが、精神のバランスを保つのが大変である。ゾンビ社会では出世など望めないし、ゾンビたちに毎日のように血肉をすすられて生き続けなければならない(結果を出せば奪われ、ゾンビの失敗をなすりつけられて日々を過ごす)。自分もゾンビになってしまった方が生きやすいと思うことだろう。だからまともな精神を保ち続けるのは至難の技なのである。小さくてもコロニーがあれば協力して生きていけるが、最近ではそういったコロニーを見かけるのはとても少ない。
新入社員にしても自身の運命はまさにガチャである。ゾンビしかいないところに配属された新入社員はその精神が持っても数年である。大概は新世界へ旅立つかゾンビになる。運が良い新入社員はコロニーに配属され、しっかりと訓練されるので、しばらくはまともな社会人人生を歩めるが、運命のルーレットは定期的に訪れる。ローテーションによってゾンビ村に生かされれば、サバイバルは過酷なものになる。他方でゾンビ村から来たゾンビはパワハラでっちあげ攻撃だとか、精神病みました攻撃でまともな組織を崩壊させる。元々のゾンビ予備軍などと結託すればコロニーなんてすぐに木っ端微塵である。
なのでこの白いブラック企業では、ゾンビになる確率が高く、コロニーの崩壊率も高いため、普通に考えると滅亡まっしぐらである。

ここまでゾンビが蔓延ると再生するのは、やはり一度リセットするしかないのだろうか?ゾンビを駆逐してまともな人間たちの組織に復活できないのだろうか?
ある程度「まともな人間」が多いとゾンビの方が逃げ出すようになると思うのだが、この白いブラック企業はそれなりに図体も大きいのでコロニーによって再生されるよりもゾンビが増える勢いの方がはるかに大きいので、やはりリセットしかないのかもしれない。
最近の話題をなっているTwitterを買収したイーロンマスクのような改革者によって良い意味でのリセットが起こるか、組織の限界に達してゲームオーバーとしてのリセットが起こるか?どちらにしても薬や注射では治りそうにない。治すためには大きな手術が必要だろう。
ただ、手術によって得られるリターンがあるような会社なら手術してくれる人もいるかもしれないが、もはや手術する価値すらないかもしれない。治そうと思ってくれる医者は現れるだろうか、、、、、

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