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マミチャンとの関係の機微

任地ディレダワで、とても仲良くしてくれる家族がいる。韓国からきていて、旦那さんが現地の人にテコンドーを教えている。奥さんは日本への留学経験があり、日本語がペラペラ。子供が2人、お兄ちゃんと妹はどちらも天使。私の癒しである。

よくこのご家族に、ご飯に招待してもらう。奥さんのつくる韓国料理、そりゃもうとびきり美味しい。

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お返しに私も首都に行った時などはお土産を買ってきたり、お使いをするようにしている。

ここのおうちの皆さんと会話をすると、日本語・英語・アムハラ語・韓国語が全部飛び交うのがいつも面白い。旦那さんは奥さんほど日本語を知らないので(それでも十分すごい)、どれか通じる言語で!!って感じでごっちゃ混ぜなのだ。


さて本題。
マミチャンとはお手伝いさんのことをさす。協力隊員で雇ってる人も珍しくないようだけど、うちにはいない。

このご家族の家にはマミチャンがいる。プライベートレッスンを受けているアムハラ語の先生の親戚で、料理や洗濯を手伝ってもらっているそうだ。

先日お昼に招待してもらったとき。マミチャンが作ってくれたツナパスタを、友人家族とマミチャンも一緒にみんなで食べた。
食後のコーヒーを頂いていたら、朝は暑いくらいに晴れていたのに、急に雨が降ってきた。外にはたくさんの洗濯物。でも、誰も取り込む様子がない。

―洗濯物、取り込まなくていいんですか?
「うん…マミチャンが嫌がるから…」

日本語だったから真意は違うのかと思ったら、これで合っていた。

詳しく聞くとこういうことらしい。
マミチャンは自分が洗ったものに関しては干し方に干渉されたくない。雨が降ってもそのまま。彼女はそれでいいと信じていて、それを一切曲げない。

「久しぶりの雨は綺麗じゃないけど、最近よく降るから大丈夫、綺麗よ。」

最初謎理論かと思ったけど、wiki先生に聞いてみたらあながち間違いではないような。

いやでも乾きかけたもの濡れちゃうの嫌じゃない?またやり直しじゃない?

私と韓国人の奥さんは、この辺の感覚がやはり近い。雨が来たら取り込みたい。
でも奥さんは、洗ってもらった日はマミチャンの主張を尊重して従うそうだ。

「えー……」とは言ってしまったが、それ以上私が言えることはない。アムハラ語の先生との関係のことだって、彼女の頭にはあるだろう。

「エチオピアの人にブル(現地通貨)を払って仕事してもらうの、すごく難しい。」

奥さんの言葉には重みがある。

大変だな…と思いながら、強まる雨脚の中さらに濡れていく洗濯物を眺めていた。



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