6/3 希望とは……/小説の効用

一般に校長先生のお話というものは聞き流されるものであるが、唯一覚えているのが、たぶん小学校の6年生くらいの頃に聞いたお話で、「希望とは未来があるということだ」というような内容だったと理解し、たまに思い出すことがある。

小学校6年生の私にはそれはそれは未来があったのだろうが、しかし歳を重ね、病に蝕まれながら生きていると、この校長の言葉は、反転して迫ってくる。この未来のなさが絶望なのだ、というように。

どうにも卑屈になってしまう時期だ。いつも「趣味」を聞かれて答えに窮すのだが、この間は珍しく「読書」と答えてしまい、それで本を読んでみているのだが、しかし読んでいても、いや、まず読む本を選ぶ段階で、この本を読んでどうだというのかといった雑念に囚われる。未来のあるなしとか、どうなるとかどうもならないとか、そういったことを考えることなく色々なものに没頭していた時期が、確かにあったように思うのだが……。悪しき老化。

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こういうときに小説は役に立って、『純粋理性批判』でも読んでみるか、あの小説の主人公のように……等と次の行動を決めることができる。読まないけど。

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