7/2 友人と酒を飲む

久々に東京に出てきて古い友人と酒を飲み、二十時に店を追い出され、友人の住む中野の狭い部屋で飲んでいた。中野に降りるのもなかなか久々だし、酔っぱらうのもなかなか久々だったが、やはりこの東京の猥雑さは、良い。旧友と会っていてもやはり東京の大学に住んでいたり東京に住んでいたりした頃を思い出し、転職しようかなぁなどと思ったりする。

元々不真面目な人間だし、自分のその不真面目さのダメさもよくわかっているのだが、やはり自由というものは、大変に価値のあるものだ。人には酩酊する自由がなければならない。――「人生はしらふでやってゆかなければだめだ」というような『万延元年のフットボール』の作中人物の台詞が頭をよぎるが、そう言った鷹四は自殺した……。

しかし酒を飲むと漢詩的な気分になる。雨の夜は美しいし、友人に友情めいたものを感じる。詩人とは元来こうした感じ方を持っているのだろうか。何にせよ、ある種の詩とは、ある種の酩酊的状態と関係するものなのかもしれない。

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