3/17 暗闇の愉しみ

卒業したばかりの子供たちが部活のお別れ会やら何やらで今週もやってきている。髪型が垢抜けたり、服装がいかにも学生という感じだったり、それだけで、「子供たち」と書き始めたけれども、子供たちとは呼びにくくなるものだ。私がもう少し年を重ねればまた変わっていくのだろうが……。卒業したというだけで話せる内容も変わり、なかなか楽しい。

同僚の先生が卒業生との会話の中で「十代で暗い経験をすることは長い目で見ればポジティブなことだ」というような話をしていて、尊敬している先生であるのだが、さすがに素晴らしいことを仰ると思った。私の十代も大変暗いものであったが(今だって十分に暗いところに足を踏み入れることもあるが)、しかし時には、そういう暗さを知っていて良かったと思うことがある。暗闇を知らないまま生きるよりも、愉しい、味わい深い生を歩めるのではないか?

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最近、というかここ数日はやたらと疲れていて、通勤中の読書の習慣が途絶えてしまった(最近は『心は孤独な狩人』に続いてカーソン・マッカラーズ『結婚式のメンバー』村上春樹訳を読んでいる。とっつきやすい小説ではないが、思春期の少女の心情の記述は、凄みがある)。代わりにJ-POPを聞いているが、(最近は『シン・エヴァンゲリオン』に影響されて宇多田ヒカルばかり)が、J-POPの編曲や歌詞というものは、馬鹿にされがちであるように感じられる(私が馬鹿にしがち、というだけかもしれないが)けれども、しかしやはり、ある類のものは、見事に心を揺さぶるものではないか?

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