8/24 「究極のローカルとは」——小松理虔『地方を生きる』に感動

途中にお盆休みが入ってしまったが(?)、小松理虔『地方を生きる』をようやく読み終えた。今年の1月の本だが、コロナ禍まできっちりと見据え(コロナ禍に関係したところでは、リモートの対義語は「ローカル」だという指摘が鋭い)、まさに現在の書である。この本が良質の実践(ライフハック)本であり、良質の思想書でもあるのは、まさしく筆者が東浩紀を引用して本文中で触れているような「観光客」性をもって活動し、思考しているからなのだろう。彼の哲学もまたプロパーのものではないヨソモノの哲学なのだろうが、その哲学が「あとがき」で「究極のローカルとは、自分の人生だ。」という究極の本質にたどり着くところは、その経験と思考を追ってきた読者には感動的ですらある。

もう少し咀嚼をしたいので今ここでレビューを書ききってしまうようなことはしないが、かつてこれも面白く読んだ分厚い『新復興論』などよりもずっと読み応えのある本であった(関連して書いたブログ記事)。ゲンロンに書いている文章もやはり面白いし、あまり意識していなかったが、結構好きな書き手なのかもしれない……。

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