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持病で眠りを妨げられ、夜中に苦しみ、朝、気怠い頭で、学術会議の問題について、ふと考えさせられた。推薦に基づかなければならないものを、時の政権が基準を公表しないまま恣意的に拒否できるというのは、政権への忖度を生む構造を強化する流れそのままだ。しかしそういう議論よりも、学術会議の内実に関する切り取りやデマによる批判が目立ち始め、国民は学術会議という同じ対象について別の論点を持つ両側に分断され、やがて有耶無耶になるのだろう。

昨今の政治的な対立は、同じ対象について、別の論点を持つ者同士の対立に見える。古くからそうなのかもしれないが、そうなると、論理的正しさよりも、同じ論点を持っているものが何人いるか、という単純な数の勝負が重要になる。ポピュリズムなどという言葉が話題になるのは、こういうことなのだろう。問題の是非ではなく、何が問題であるか、が対立点なのだ。

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