5/24 大学院のことを思い出す

私は私大の学部を出て国立の大学院に進んだのだが、その国立大が元々高校時代の第一志望で、第二志望の私立に行ったのが悔しくて大学院はその国立にしたのだ、というような噂が流れていたと、その国立大を志望する生徒に言われて、その根も葉もない想像された私の熱意に笑ってしまい、その国立よりも学部の私大の方が賑やかで面白かったというようなことを言ったら非難された。

しかし、そんなことで大学院に通っていた頃を思い出したのだが、比較対象はないのだけれど、返す返す稀少な空間だった。あそこには、これから先どうやって生きていくのだろうと心配になるような寡黙な若者や、何もかもなげうって小さな(小さく見える)テーマに人生をかける若者や、何となくやってきてしまった若者などがいて、そして教授やその取り巻きの重鎮博士課程たちは、そうした社会不適合性がほとんど目に入らぬほどに偉大な知性であった。都心の私大と比べれば雰囲気もどこか郊外めいてのどかだったが、ああいう場所で学部の四年間から過ごすというのも、やはり素敵なものに違いあるまい。

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しかし私は相変わらずうつ気質で仕事に来たくない教師だと思われていて、完全に正解なのだが、面と向かって言われるとうーんとなる。

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