6/16 虎は語ることができない

「山月記」の教材研究をひとまず終える。やはりこの小説の結末の語りはおもしろい。虎は語ることができないようだ。声は「叢」から聞こえ、袁傪は「叢」に語りかけ、薄明に「虎」はただ咆えるのみ。「虎」は、ただ語られる存在なのである。これはこの小説が「人虎伝」ではなく「山月記」という題であることとも関わりそうでよくわからないのだが、改めて読み応えのある小説である。

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