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労力に見合った対価

先日の学会で、ある教授が「皆さん、特許を取りましょう」と言ったんです。
「医者は、情熱はあって当たり前、でも情熱だけではダメなんですよ。」と。

この話を聞いて、青色ダイオードの話を思い出しました。
中村修二さんは青色ダイオードでノーベル賞を取りましたが、世界に貢献した発明に見合うだけの対価は得られませんでした。
それで、「それはおかしいだろう」と、以前勤めていた会社を相手どって裁判を起こしましたよね。

そして、この本によると、漫画家も適切な対価が得られないようなのです。
テルマエ・ロマエがあんなに流行ったのに、しかも、映画の興行収入は100億円だと言うのに、原作者のヤマザキマリさんには200万しか支払われなかったそうです。

クリエイターに、その作品に見合った報酬が支払われないのは、社会の構造がおかしいのですよね。
搾取されているのですよ。
マネジメントする人が、中間搾取をしていると言ってもいいと思います。


医者の場合は、搾取されているとは言いませんが、
労力に見合った対価が支払われているとは思えません。
医者は、1人でも多くの患者さんが救われるようにと、日々努力しているのです。
手術の改良を考え、手術道具を開発し、治療成績が良くなるように実験を重ねています。
しかも、それらは業務が終わってから、行われているのです。
その間は、もちろん無給です。
手術道具を開発したのなら、それに対する対価は支払われるべきだと思います。
適切な対価が支払われなければ、モチベーションが下がることになると思うのです。
だから、冒頭の教授は「特許を取りましょう」と言ったのです。


日本の社会構造が改善されないと、労働意欲は削がれる一方ですね。

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