恋する男子
少し甘めのカクテルが酔いを早めたのだろう
いつもより柔らかく笑うあなた
三つ上のあなたは年相応らしく振る舞いたいのか
砕ける前までは脳へ意識づけるかのようにピンと背筋を伸ばしている。
ここ最近それがわかるようになったけれど
それでも会うたびに平然を装って手を握ってくるあなた
そんな一面に僕は愛しさを感じながら
あなたと同じように平然を装い指を絡める。
肩越しにあなたの体温を感じるのが好きで
左に少し目線を落として見えるあなたの横顔に安堵する。
豊かな表情から伝わる子供みたいな素直さ
幾つになってもそのままでいて欲しい
好物を食べれば機嫌が直るのもそのままでいてね
いつも待ち合わせ場所で合流する時あなたを見つけることに長けているのか
すぐにあなただと分かりますが気づかぬふりをしてしまうのは僕の悪い癖
あなたが僕を見つけて手を振りながら嬉しそうに近づいてくるのが好きで
いつも見つからないフリをしてしまいます。
お酒が入って甘えてくるのはずるいです。
酔いのせいにしてちょっと大胆な行動に出たり、
そのギャップに日々悶えているところです。
そんなあなたに会う今日も
僕は気付かぬふりをして彼女を待つのです
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