子どもが加害者になったとき
小学1年生の男の子(Aくん)をもつママ友さんのお話。
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休み時間中に悪気なく「ちょっとどいて」と軽く押したら
相手の女の子(Bちゃん)がこけてしまった。
Bちゃんはすぐに病院へ行き、腕の骨折で全治2ヶ月との診断。
Aくんのお母さんは夕方、Aくんと一緒に
Bちゃんのおうちに謝罪に言ったものの、
玄関先にすら出てきてもらえずに帰宅。
翌日も出てきてもらえず、
数日後にやっと謝罪に応じていただけたとのこと。
そのことについて、Aくんママは
「もちろんAも悪かったけれど、悪気があったわけでもないし
子ども同士のことなんだから・・・」
ともやもやしている様子。。
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みなさんはどう思われますか?
私は「わぁーー加害者側になるって本当にこわいな ><」
というのが率直な感想でした。
うちの子たちは3兄弟。
いつ加害者になるかわかりません。
だからというわけではありませんが
(いや、だからというのもありますが。←どっちじゃい(笑))
「子どものことはお互いさま。
ちょっとした悪ふざけであっても、けんかの末のことであっても
一方的な悪意でなければ、お互いさまと思って笑って許すし
できれば相手にも笑って許してほしい。」
そう思っていました。
でも、それは軽いケガで済んだ場合の話。
もしそれが脊髄損傷で後遺症の残るケガだったり、
命につながるものであれば、話はちがってくるでしょう。
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ケガをすること・させることへの恐怖
Aくんの話を聞き
「もちろんケガをするのもこわいけれど、
ケガをさせる=加害者になるって本当にこわいな」と感じていた矢先。
「お風呂入ろ~」と声を掛けると
長男(5歳)と次男(4歳)が、我先にと手で相手を牽制しながら
ドタドタドターーーっと階段をおりてきました。
二人は半分冗談、半分本気のような
先に行って、先におトイレに入りたいという思いはあるけれど
本気で相手を押そうとか後ろに追いやろうとは思っていない状態。
私はAくんの話の恐怖が頭の中にあったので、すぐに
「階段でふざけたらいかんって言いよろうもん!!
危なかろうが!!」
と注意しました。
(方言が出るのはとっさに注意しなければという意識と強い感情の現れ。
子どもたちもそのことを知っているので少し身構えます。)
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私なりの伝え方
それから、じっくり向かい合ってお話タイム。
「悪気はなく、ちょっと押しただけのつもりでも
思わぬケガをすることはいくらでもある。
それが階段や車道なら、なおさらだよ。
背中や首をケガしたら
一生足や手が動かない可能性だってあるし
死んじゃう可能性だってある。
だから、お互いそんなに悪気がないのはわかっているけれど
押し合うような危ないことは絶対にしないで。」
と子どもたちにお話しました。
『思わぬケガにつながることがあるから、危ないことはやめてほしい』
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ということを、ケガにつながったときの恐怖で伝えようとしたんですね。
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子どもたちは「わかった。」と聞いていました。
でも、死んじゃう可能性だってある、なんて我ながら過激な表現ですよね。
これでは子どもたちに恐怖を植え付けただけです。。。
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ケガに過敏になる日々・・・
その後も、しばらくはケガにつながる行動に過敏になっていて
戦いごっこなど遊びであっても、ちょっとでも危ないと思ったら
「ストーーップ!」と止める日々が続きました。
でも必要以上にルールでしばりつけても、ギスギスしてお互い楽しくない。
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保育士さんの伝え方
そこで、保育士さんに相談してみました。
Aくんの話を聞いてすごくこわくなり、
子どもたちにも恐怖を煽るような言い方をしてしまったこと。
それ以来、ケガを避けたい一心で子どもたちに制限をかけているが、
お互い苦しくなってきていること。
すると先生は、保育園での子どもたちへの伝え方を教えてくれました。
『押されて転んだり、叩かれたりしたら、痛いし、いやだよね。』 ⇒『痛いことはされたらいやだよね』
⇒『じゃあ、自分もしちゃいけないよね』
というように、傷や後遺症の有無に変わらず、
『相手が痛い・嫌だと感じることはしてはいけない』
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ということにしているそうです。
また、保育園では戦いごっこもよくありますが
『絶対に当てない』というルールを徹底しているそうです。
ケンカになったときも、手を出さずに口で解決する。
もちろん言葉の暴力もNGです。
自分たちで解決できないときは周りに相談するようにしていますし
先生たちも手が出る前に近くに行き、見守るということでした。
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NVC的に考えてみる
私は最初、Aくんの話を聞いた恐怖をそのまま子どもたちに伝え
恐怖や不安を煽るような言い方をしてしまいました。
しかし、これでは子どもたちがお友達にケガをさせてしまったとき
子どもたちはとても苦しむでしょうし
「やってはいけないことをした」という恐怖から
隠したり嘘をつくようなことがあるかもしれません。
そこで、NVC的に考えてみることにしました。
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NVC ~恐怖の裏にあるニーズを探る~
まず、自分の中にある恐怖。
これを丁寧に掬い上げて、裏にあるニーズを探ってみます。
1.観察(単なる事実):
・Aくんの話を聞いた
・自分の子どもたちが加害者になることを想像した
2.感情(事実に対する感情):
・自分の子どもたちがケガをすることへの不安・恐怖
・自分の子どもたちがケガをさせることへの不安・恐怖
3.ニーズ(必要としていること):
・ケガをしないように十分に注意してほしい
・ケガをさせないように十分に注意してほしい
・子どもたちに健康でいてほしい
・子どもたちに笑っていてほしい
4.要求(ニーズを満たすために必要なこと):
・ケガにつながるような危ないことをしないでほしい
・特に階段や車道では、悪気がなくても事故につながりやすいことを
認識しておいてほしい
・子どもたちの楽しいことを取り上げたいわけではないので
戦いごっこを禁止にはしないけれど、『絶対に当てない』ルールは
おうちでも厳守してほしい
まとめるとこのような言い方になりました。
「お母さんは、Aくんの話を聞いて、
もし君たちがケガをしてしまったら
もし君たちがケガをさせてしまったらと想像して
とてもこわい気持ちになった。
お母さんは、君たちに健康でいてほしいし、いつも笑っていてほしい
と思っている。
だから、危ないことだけは絶対にしないでほしいし
特に階段や車道では特に慎重になってほしい。
戦いごっこをするときは、おうちでも
『絶対に当てない』ルールを絶対守ってね。」
最初の言い方は
『思わぬケガにつながることがあるから、危ないことはやめてほしい』
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という言い方でしたが、
NVC的な言い方は
『子どもたちに健康でいてほしいし、いつも笑っていてほしいから
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危ないことはやめてほしい』
となります。
ニーズとニーズを満たすための要求を明確にすることで
相手の納得や理解も得られやすくなります。
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現実に起こり得る・・・私たちにできること
Aくんの話を聞いたときに真っ先に思い浮かんだのは
スラムダンクの作者である井上雄彦さんの「リアル」という漫画でした。
主人公は軽い気持ちでナンパした女の子をバイクの後ろに乗せて
バイク事故をおこしてしまい、女の子は下半身不随となり
車いす生活を余儀なくされます。
もちろん事故をおこそうと思っておこしたわけではありませんが
軽い気持ちでしたことで障がいを背負わせてしまったことも事実。
そういうことって現実に十分起こり得ることなんですよね。
防げる事故は徹底して防ぎ、NVC的な伝え方をすることで
子どもたちを縛ることなく成長を見守っていけたらと思います。
それでも加害者になってしまったとき。
子どもといっしょに受け止めていくだけの覚悟を
常に持っていたいなと思います。
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よかったら、感想を聞かせていただけるとすごくうれしいです!
正解のないものですので、みなさんと話す中で
「こんな考え方もあるのかぁ~」
「気づかなかったけれど、こんなニーズもあるのかも!」
ともっともっと高め合っていけたらと思っています(*´v`*)
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