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アーマードコア6というソシャゲとの差別化を徹底的に意識した作品

タイトルとは打って変るようであるが、私はソシャゲを数多くプレイしている。グラブルに始まり、ウマ娘、原神、ブルアカ、崩壊スターレイルと、前者二つ以外は今もプレイするくらいソシャゲ脳の人間である。ガチャと周回が大好きといっても過言ではない(周回は意識的には嫌いなはずなのだが、こんだけやってりゃ多分好きなんだろうと思う)

ところで最近私はアーマードコア6を全シナリオクリアした。ゲーム内容への感想はタイトルのとおりが一番である。最近のゲームはやれDLCだのガチャだの周回だのといった、ソシャゲ的な側面も数多く備えている。それが悪いというよりは、そうしなければ商業的に成立しないからそうなっていると言っても過言ではないだろう。

本作はまずガチャ要素がない。一見ランダムに見えるミサイル一つとっても挙動が完全に制御されており、自身のコントロール一つで回避できる。また、敵の視線やロックオンは完全に可視化されているため、自分が気づきさえすれば行動はいつでも必ず最適解が存在する設計となっている。むろん敵の選択する行動には複数のパターンがあるが、対応できる行動というのは必ず正解が用意されているのだ。それが故に繰り返し反復してプレイさえすれば、指と脳が次第にゲームに慣れてきて、上達と共にクリアできる仕様になっている。操作に関しては、こんなに激しく早く、そして複雑に動くゲームにもかかわらず、まったくストレスを感じさせないUIとプレイ感になっており、さすがアクションゲームの王者フロムといった感じであった。プレイそのものがゲームの本質であり、それ以外は要らないといった風格だ。

DLCも過去作のシリーズからするとない(むろん拡張的な次回作はありえる)だろうと思われる。DLCは人にもよるのだろうが、個人的にはあまり嬉しい代物ではない。とはいえソウルシリーズのDLCは全作品プレイしているため、ソウルシリーズくらいのクオリティであればDLCも嬉しい。しかしながら世の中のDLCには正直なぜDLCになっているのか分からない代物も沢山あり、それはゲーム開発の事情があるとはいえ、プラスアルファの代物ではなく、不完全なゲーム本編を補完するものであったりすることもある。それだけならまだしも最初から不完全であることを隠そうともしないものもある。これに関しては事あるごとに修正やバランス調整といった内容でゲーム内容を改竄することによって、プレイヤーの不安や射幸心を煽るソシャゲのやり口と大差ないと思っている。(まあそれでこそソシャゲである所以なのだが)

周回に関しては少しだけ存在する。というのもすべてのシナリオをプレイするのに一応3周する必要があり、また装備を全て整えたりトロフィーをコンプリートしようと思ったらある程度周回が必要な設計となっている。だがこれに関してはトロフィーシステムそのものがソシャゲ的な装置であり、また周回によって装備品を整えるということに関しては、ソシャゲであるあるのシステムとはいえ、古のRPGから備わる古典的なゲーム要素でもあるため、厳密に区別することが難しいともいえる。ある種の労働と対価であり、また、ゲーム本編をプレイするうえでは装備を売り買いさえすれば周回はまったく必要ないことから、そもそも周回させようという設計ではないと思われる。シナリオに関しては周回を経てさらなる選択肢や分岐が与えられる他、1周目では解らなかったセリフに関しても、背景や人間関係が理解されることで味が変わって感じられたりするような設計になっており、これは周回というよりそもそも3周で1周という感じであった。

まあべた褒めばかりも信者っぽいし、実際信者なのだが気になった点を一つだけ挙げておくとすれば、シナリオの設計が気になりはした。周回を前提で作るのはいいと思うが、同じセリフやシーンを繰り返し経験することになるので、そこに関するストレスが意図的に無視されているように思われた。スキップできないセリフや、変化があるのかないのかが視覚聴覚ですぐに把握できなかったりするところがあった。ここはあえてそうしていたのかもしれないが、周回を前提とするゲームは先駆的なゲームがたくさんあるため、そのあたりで快適なプレイ体験というものは大体どういうものか、大体知見が蓄積されているように思われていたので、自分としてはすこし残念だった。繰り返し聞くと味が違って感じられる部分もあったので、ここは人によっても評価が分かれるように思う。

長々と書いたが、プレイ体験としては唯一無二のものであり、ロボットアクションゲーでこれを超えるものはないと確信できるクオリティであったため、ロボゲー、アクションゲーに興味がある人はぜひやってみてほしい。また、フロムといえば高難易度で、自分にはちょっと・・・と思っている人も、この作品に関しては他のフロムゲーと違い装備による最適化の影響も大きいため、自身で難易度を調整しながら遊ぶことも出来るからぜひプレイしてみてほしい。駄文だが、誰かの興味を引かんことを祈って。

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