言葉の温度

飲み会に限った話ではないが、しゃべっている奴の、ウソがへたくそというか、同じような言葉を口にしていても、ニュアンスというかトーンというか、一体何がそういう風に作用するのかはわからないが、温度が下がって、冷たく聞こえることがある。

本人は冷たくしている気は多分ないし、そんな態度でもないけれど、そういう風に聞こえるのは、自意識過剰な部分もあるのかもしれない。この世に私とあなたしかいなければ、違いが判らないから、冷たく聞こえることもないのかもしれない。

喋っている本人がバカで、言葉の上で失礼なことにさえ気づきもしないのなら、腹は立つけれど身が冷えることはない。だけれども、そうバカでもない人の、何気ない冷たさというものは身に染みる。慇懃無礼なほどではなく、ギャップ萌えの逆というかなんというか。

まあでも他人を見ていると、明らかに興味がない相手に対しても延々としゃべり続けていたり、興味があるフリがばれていそうでも、続けていたりするように見受けられたりして、一体どこまでが嘘なのか、という感じにもなる。人間関係がそのような傲慢と盲目からしか成立しないのなら、一体言葉の意味はどこにあるのだろうか。何度考えても答えのない問いが、日々頭の中を巡っている。

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