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園生活がはじまった

園に行き始めた息子。
なんとか毎日送り出しているけれど、
慣れてきたかなと思ったころに、
園から電話がかかってきた。

着くなり帰りたいと泣いたり、
園での活動をやらないと言ったり、
皆活動しているなかでひとり帰り支度をはじめたりするらしい。

先生からの言葉に驚いた。
家でも毎朝泣いたり、行かないなど言っていたけれど、
ちゃんと登園するし、
園での話もぽつぽつするし、
帰宅してからはそんなにぐずったりしていなかったので、
なんだかんだ園では切り替えているのかなと思っていた。
何もわかっていなかった。

当たり前だけれど、自分の目がないところでは、
息子がどう過ごしているかはわからない。
それに、もう別の世界を持っている息子の、
すべてがわかるはずはない。
何より、目の前にずっと居てくれた今まででさえ、彼の気持ちをわかっていたわけではない。

目の前の息子は、わたしではないし、
息子はわたしの所有物ではない。

けれど、そんな話を聞いて、心臓が握り潰されるような気持ちだ。
わたしより長く親をしている人は、きっとこんな気持ちを何度も経験しているんだろうな。

たったひとりの息子でさえこんなに気持ちが忙しいのに、もっと多くの子どもを持っているひとたちはどんなふうに折り合いをつけているのだろう。

園での話は聞いて苦しかったけれど、
かわいそう、というのはちょっと違う。
きっと息子にとって必要な過程だし、
信頼できる園の先生方に託せることは
幸せなことだと思う。

頭ではわかっていても、
心がずっと落ち着かない。
そんななか、息子や旦那と同じくらい大切な
大好きな家族から、ある悩みを打ち明けられた。
まったく想像していなかったことで、
心が苦しくて、どうしたら良いかわからない。

どうすべきなんだろう。
わたしができることはあるだろうか。

ずっと考えていたけれど、
わたしが何かする、提案する、ということではなくて、
まずは話を聴く。
ただ聴く、ということだけに
注力したい。

解決する力は本人にちゃんとあるし、
気持ちに寄り添ってもらえることが
今まで自分自身が悩んだとき、いちばん楽になった気がするから。

園での生活にまだ慣れていない息子のことも、
日々悩ましいけれど、
園で素直に感情が出せていることは、
先生方に感謝しかない。
きっといつか、息子に必要なタイミングで
慣れていくはず。たぶん。

結局、家庭で自分の子どもに思いやりの心を育てようと思えば、親自身が、親戚、近所の人、友人やそのほかの人の喜びを、本当にいっしょに喜ぶことがだいじなことです。
そういうときに、大きな喜びに感じてあげられれば、それだけ子どもにも思いやりの心が育つわけです。
同時に、そういう人たちの悲しみや不幸を、いっしょに悲しんであげることができたら、子どもに思いやりがだいじだなんて、口で言う必要なんかはないのですね。ひとこともいう必要はないわけです。

子どもへのまなざし 佐々木正美著

家庭で出来ることってなんだろうって考えていた。
まずわたし自身が、いつも思いやりをもった行動が出来るように、心がけていこうと改めて思う。

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