イギリス生活 1年間振り返り〜語学学校からフルタイムのオフィスワーク獲得まで〜

YMSビザで特に目的なく渡英して約1年。目まぐるしく環境が変わった今年をざっくり5つの時期に分けて振り返りました。YMSでの1つの過ごし方の紹介になるので、既に渡英済みの方やこれから渡英予定の方の参考になれば幸いです。

1 語学学校期
21年11月-22年2月
最初のクラスは自分含めて3人しかおらず、授業は教科書中心でつまらない。午前で授業が終わった後は1人でロンドン市内を適当に歩いていた。視界に入るもの全てが新鮮で観光地ではない場所も刺激的だったが、同時にイギリスに来た意味が分からなくなってきた。高校の英語授業と大して変わらない授業をする語学学校に注ぎ込んだお金、目的もなく歩き回ってる毎日。少ない日照時間と寒い日々の中、今思えばホームシックに陥っていた。

その後変更を申し出て移ったクラスは雑談中心の授業。先生が生徒に週末の予定などを質問し、その回答から話を膨らませて授業を進めていくスタイル。生徒が1分も話せば、文法、単語、発音など何かしらの誤りはする。それを解説しながら正しい言い方を教えてくれていたので記憶に残りやすかった。
またこのクラスは10人ほどの生徒がいて、クラスメイトとの会話も多かった。
授業終了後一緒に観光したり食事をしたり、楽しみながら英語を学べた。

と言っても学校には日本人が多く、日本人だけで放課後一緒に過ごしてしまう日も多々あった。
しかも2−3ヶ月の短期留学で来ている人がほとんどで、2年も滞在する人はレア。長期的な友達を作るのには向いていない。YMS生活での悩みや苦労を共有できる友達を期待していたが、それには向いていなかった。

肝心の英語力は、入学前に比べたら多少は上がっているが、大金を払ったコスパに見合った実力はついていない。一重に自分の努力不足。授業も適当に聞いていたし、日本人とつるむ日も多かったから当然の結果だ。
真面目に授業に参加して上手く使えば英語力はより伸びたと思う。

2 ジャパレスバイト期
2月-6月
語学学校も終わりが近づき、暇は避けたいからMix-Bで求人が出ていたジャパレスに応募した。志望動機や強み弱みなどは用意して面接に臨んだが、大したことは聞かれず書類の確認程度。面接に来た人は基本誰でも採用するようだ。
ウェイターとして働き始めて最初2週間は覚えることが多くて大変だった。テーブル番号、メニューの種類、それぞれの料理に含まれるアレルギー食品、準備から営業終了までの一連の流れ、接客で使う英語、など。。。

だが逆に一度覚えてしまうと後は楽だった。仕事内容は毎日同じで、1日単位で仕事が終わる。東京で働いていた頃は、帰り道で今日やり残した業務をモヤモヤ考えたりしていたがその必要はもうない。ましてや家に仕事を持ち帰ることなどあり得ない。それが新鮮だった。また、接客を通じて英語力も多少向上し、一緒に働くバイト仲間も雰囲気良い人が多かったため、楽しく働けていた。
そのほか、休みを自由に取れるのも大きかった。一週間まとめて休みを取って旅行することも簡単にできた。

しかし良くも悪くも仕事内容はルーティンのため、3ヶ月ほど働くともう飽きてくる。接客で使う英語のパターンが限られているため、英語力はある程度までは伸びるがそれ以上は難しい。
日本食の賄いはありがたかったが、賄い食べるために渡英した訳でもないため、別のバイトをぼちぼち探し始めた。

3 イベントスタッフバイト期
6月-8月
新しいバイトを探し始めた時、自分はなぜイギリスに来たのかを改めて考えるとUKロックが好きというのも理由の一つだった。ちょど夏が来るしフェス会場でのバースタッフがいいなと思った。そこで、フェス等の日雇い現場にスタッフを派遣するイベントスタッフ派遣会社に応募した。面接はなく、1時間程度の説明会に参加するだけ。説明会は半分くらいしか理解できなかったが分かったフリして乗り切った。説明会に参加したら登録完了で、後は専用アプリで自分の行きたい現場に申し込めばOK。月に最低何日シフト入らなければいけないなどのルールもなく、自分が興味あるイベントのみ申し込んでいた。フェス以外にもウィンブルドンなどのスポーツ試合もあった。

仕事内容はバースタッフで、会場内のバーでビールやその他ドリンクをサーブする業務だ。ジャパレス以上の単純業務。ひたすら1pintのビールを注いでいる中、1時間後も2時間後も同じようにビールを注いでいる姿を想像すると気が狂いそうになった。ステージからの音漏れに耳を澄ませたり、お客さんやバイト仲間とおしゃべりして気を紛らせていた。
しかし現場によっては休憩時間に好きなバンドのライブを見れたり、ちょうどトリ前にシフトが終了して、トリのステージを丸々見れるラッキーなこともあった。

ただジャパレスバイトと違って、フェスバイトは毎回が初めての現場。当然現場ごとにドリンクメニューも異なるし、マネージャーや一緒に働く仲間も異なる。その上自分は英語が得意ではないから、営業開始前にバーっと説明されても理解できない。言語のハンデを埋めるために、ジャパレスにいる時以上に気を遣い、お客さんや一緒に働く仲間が今何をして欲しいのかを察して先回りしながら働いていた。
そのため、シフト終了後は一気に疲れが押し寄せ、帰りの電車ではよく寝ていた。

8月までの間に自分が入ったフェスは3つのみだったが、Rolling Stones, Sam Fender, Noel Gallagher, Primal Scream, Eaglesなど以前から好きだった大物をたくさん見れたから大満足。 8月に入るとホリデー期間の大学生がシフトに多く入るようになったためすぐに枠が埋まってしまい、思うようにシフトに入れなくなった。同時にこのバイトにも飽き始めていたため、別のバイトをぼちぼち探し始めた。
ちなみにこの期間もジャパレスは継続している。イベントスタッフと合わせて週5になるよう調整していた。

4 広告代理店バイト期

8月-10月
またまたMix-Bをのぞくと日系広告代理店がスタッフを急募していた。会社概要を見ると自分が東京で経験してきた業務内容も含まれており、今後伸ばしたいスキルとも重なっている。また、ジャパレス、イベントスタッフと経験して接客業自体に飽きており、オフィスワークをしたかった。
募集要項では3年以上の広告代理店での実務経験とビジネスレベルの英語力が求められていた。自分の英語力はビジネスレベルには全く到達していないが、それを補うほど実務経験をアピールできれば採用される可能性は十分あると考え、CVとカバーレターを提出。特にカバーレターはかなり練って作成し、友人にも添削してもらった。
その甲斐あって進めた面接はオンラインで約1時間ほど実施。自分の経歴や強みなどについて詳しく聞かれた一方、こちらからも業務内容や働き方等についてたくさん質問した。面接官からの質問数より自分から質問した数の方が多かった気がする。苦手な英語はこれから頑張ってビジネスレベルに達しますと伝え、その結果週3回のパートタイムで採用して頂けた。

この会社は自社事業として日本文化フェスの開催などをしている他、請負事業として日本の自治体・企業のUKでのPR活動サポートもしている。面接官であった上司のアシスタントとして始まったパートタイム勤務はリモートワークが基本でたまに出社するスタイル。自分の主な業務内容は請負事業に付随する提案書・見積もり作成やリサーチ、HP更新などだった。前職でも似たような業務は経験あったため、そこまで苦労はせずこなせた。

勤務中は基本在宅でPCをカタカタしているだけだが、たまにイベント運営の手伝いもあった。この会社は日系企業が自社商品宣伝のためにロンドンで開催するPRイベントの運営も請け負っている。そのため荷物運搬や会場設営などで人手が必要になるが、社員数が少ない上に現場レベルで動く男性は僕しかいない。僕が特別気の利いた働きができている訳ではないが、必然的に重宝された。

デスクワークの方も特に問題なくこなしていた(と思う)ので、週5のフルタイムで働かないかとオファーを頂けた。1ヶ月程度働いてみて、より業務に深く関わりスキルを伸ばしたいと考えていたので喜んで受けた。何より自分の仕事ぶりを評価してくれたのが嬉しかった。
ちなみにこの間は広告代理店を週3、ジャパレスを週2で働いていた。イベントスタッフは全くシフトを入れていない。

5 広告代理店正社員期
10月-現在
バイトの時期(といっても1ヶ月半程度しかなかったが)は、毎月決まったルーティン業務をこなすのが主だった。既に決まっている正解を目指して情報を集め、報告書のフォーマットにまとめていく。漏れやミスがないように気をつけるのは当然だが、あまり頭を使う業務ではなかった。
しかし正社員になりフルタイムで働くようになると業務の幅も広がる。毎月新しい請負案件が舞い込んでくるので、それらをどう処理するか、どうやって利益を出すかなどを考えなければいけない。

例えばイベント運営の案件であれば、会場決め、MC、カメラマンなどを誰にするか、ポスターや会場で配布するプログラムを作るためにデザイナーへの依頼、プリント屋への手配、会場での軽食の用意など、やるべき業務は色々ある。
前職でも似たような業務は経験あったのでなんとなく勘は付くが、英語を使わなければいけない場面では結構苦労した。書類やメール作成ではDeepL(翻訳ソフト), Grammarly(文法チェックソフト)などのツールを使えば誤魔化せるが、オンラインミーティングはそうはいかない。Otter(会議文字起こしソフト)を使っても全く会話に着いていけず地蔵と化していた。

そのため退勤後はその日のミーティング内容をOtterを使って振り返り、議事録を音読、分からない単語や言い回しを調べた。例えば30分のミーティングの議事録は5,000ワード程度あるので結構しんどい。今まで英語勉強をサボってきたツケが回ってきた。ただ基本定時で上がれて勉強時間を確保できていたのはラッキーだった。
英語に関してはこのやり方で現在も続けている。入社当社よりは分かる様になったが、ミーティングには未だ着いていけない。なかなか上達する気配のない僕の英語を気長に見守ってくれている上司には感謝しかない。

6 残り約1年の目標
兎にも角にも英語。仕事で不自由ないレベルに到達すること。
また、日系企業や日本文化をイギリスに向けてPRする現在の仕事はやりがいを感じている。今後もこれに関連する仕事に携わりたいので、日本文化やイギリス文化に関する知識、マーケティングの知識も身につけたい。

幸いなことに今はそれらを勉強できる環境にいるからもちろん努力はするが、あまり気張らず、適度に旅行やライブ鑑賞なんかにも行きながら、残り1年楽しんで過ごしていきたい。

以上でした。質問いただければ可能な範囲で回答します。

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