東京の片隅で「ワインレッドの心」

今日も東京の生息地域で買い出しふよふよしていた青鳥(あおどり)なのです。
いいお天気、なのです。
風が強めで、多少気温が上がっていても、服が風をはらんで心地いいのです。

太陽のキツさは、すでに北海道の夏を思わせるのです。
そんな平和な生息地域の片隅、なのです。
あちらこちらのお店で買い出しをして、次のお店に向かっていたときなのです。
背後からスピーカーから音楽が鳴っている音が大きくなってきていたのです。
そのスピードが人が歩いているものではないので、車かな? と思ったのです。

大きくなった音と共に、横を通り抜けていくのです。
スマホ片手に自転車を漕ぐ、二十歳そこそこのおにいちゃん。
スマホからは、安全地帯の「ワインレッドの心」が流れていて、それを周囲に聞かせつつ、おにいちゃんも気持ち良さそうに歌っているのです。
スマホの玉置浩二とデュエット、なのです。

不思議、なのです。
何故、こんな東京のハジッコの若すぎるおにいちゃんが、自転車濃いで歌い上げているのか。
しかも、明るい時間に、暑い時間に、人の往来を気にせず。
鳥類のいる東京の生息地域のおにいちゃんは、心臓が強いようなのです。

それにしても。
あの年代の青年があの曲をチョイスして歌っている、という衝撃がスゴかったのです。
もしかしたらご両親の年代が安全地帯のファンなのかなー、なんて思うのです。じゃないと、あのチョイスはシブいのです。
いまどきのおにいちゃんならワンオクなどではなかろうか・・なんて思いつつ、気持ち良さそうに歌いつつ、自転車ですいー、と走り抜けていったおにいちゃん。
シャツのボタンを全開で外して、その裾は風を受けてきれいに翻っていたのです。

なんとなく「やるな」なんてホクホクしていた青鳥なのです。


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