春だな、虫が飛んでいる

いい天気だ、と外を歩きながらしみじみしていた青鳥(あおどり)なのです。
暑くなく、寒くなく、ふよふよするにはいい感じなのです。

所用を片すのに、あちこち行ったり、部屋を出入りしたり、ちょっと世話しなかったのです。
ちょっとだけ気分を変えたいなー、の気分になったのです。

こんなときは、なんとなく歩くのがいいのです。
考えずに気の向くまま、足が行きたい方に任せるのです。
そんな感じで流れていくと、小さな川の側に辿り着いたのです。

そこも「ぼー」っとして歩いていたら、目の前を小さな黒い影が横切ったのです。
そのすばしっこい感じ、なんとなく川面を見たのです。
小さな羽虫たちが、その川の流れの上をちょっとした塊で飛んでいたのです。

おおう、春だな！
なのです。

川面の上を飛んでいるのはいいのです。どさくさに紛れて服や髪の毛について、部屋に侵入しないで欲しいなあ、と今から願っている青鳥なのです。