廃墟の庭に繁る草木

寝起きは特に鼻水とくしゃみが止まらなくなる青鳥(あおどり)なのです。
この季節は、ティッシュの消費量がすごいのです。
鼻の周辺がティッシュで擦れて赤くなるのです。

そんなこの時期、それでも外に出なければならないのです。
今日もモチロン、ふよふよするのです。
そうやってふよふよして、とある住宅地を歩いていたのです。

普通の民家の隣に、思いっきり廃墟が登場したのです。
見た目キレイな「もしかしたら、まだ住人がいるのかな?」ではなく、完全な廃墟なのです。
なにせ屋根が崩れて、崩壊しているのです。

抱懐しているところから少し屋内が見えているのですが、鳥類の視線はそこにはいかないのです。
もっと手前の、歩道の際に植えられている椿の木を見ているのです。

お庭は野放図で、草がぼうぼうのです。
そんな随分と人がいなくなってから時間が経っているような、そんな廃墟の庭に椿の大きな木があるのです。
しかも、とても赤い大きな花をたくさん咲かせているのです。

住人はいないのに、椿は咲くのです。
見てくれるのは、歩道を行き来する人か、ご近所か、なのです。
この椿は人の手入れがなくても生き残れたようなのです。
ほかの樹木もいくつかあったのですが、枯れているもの、青々しているもの、あるのです。
地面には草が繁っていて、もしキレイな草花を植えてあったとしても、もう棲息はできないだろうなあ、という荒れた庭なのです。

東京でも中心地から離れると、こんな場所が普通にあるんだなあ、と咲き誇っている椿をしみじみ見ていた青鳥なのです。

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