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俺たちの箱根駅伝(上・下)

こんにちは。aoです。

今回読んだのは、
「俺たちの箱根駅伝」 で著者は池井戸 潤さんです。

本作は上下巻で構成されております。
駅伝において古豪の大学にいる4年生の主人公・青葉隼斗を中心に、箱根駅伝を目指し苦悩する様々な物語が描かれています。
選手視点だけでなく、放送する側からの視点も併せて描かれています。

何かに挑戦し成長する物語を読みたい人におすすめです。上下巻あるので、少し話は長いですが、それを感じることなく最後まで読める面白い本でした。

ここからは私の感想です。(ネタバレあります。)
この作品は大きく分けて3つの視点から箱根駅伝に挑む人の物語が描かれています。それは、選手、テレビ局、監督です。

スポーツに関する小説のため、メインは選手になります。箱根駅伝を目指す中で人間関係の悪化や自分の不甲斐なさを認め、成長していく様が描かれております。味方、敵で多くの選手がいますが、短いながらもそれぞれにフォーカスを当てて人物の特徴がはっきりと描かれていたため、それぞれの選手に感情移入することができました。

箱根駅伝といえば、お正月にテレビで見るものというイメージを持つ人もいるくらい、認知度が高いテレビ番組となっています。そのくらい大きな番組を放送するために、行われるドロドロとしたことも含めた様々な行動が、描かれています。どこまでリアルに小説の内容が行われているかは想像の域を出ませんが、普段見ている何気ない番組の裏には様々な思惑が潜んできることが見えてきます。

最後に、監督目線です。正直、駅伝の監督なんて、そんなに重要なのかと最初は思っていましたが、読めば読むほど、監督の重要さに気付かされる小説でした。

選手目線で物語を読んでいる時は、感情的な描写が多く、どうしても読んでいる時に描かれている登場人物に感情移入してしまいます。一方でテレビ局の人や、監督メインに場面が映ることで、半強制的に感情移移入していた状況を客観的に見ることができ、駅伝全体を楽しむモードに切り替わります。
1つの場面を切り取っても様々な感情になり読むことができるのは、この本の良さだと感じました。

余談
正直、駅伝をちゃんと見たことはなく、「話題になっているから読んどくか〜」位の気持ちでしたが、来年の箱根駅伝は予定を入れずテレビの前に座っている気がします。

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