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嘘つきアーニャの真っ赤な真実
こんにちは。aoです。
今回読んだのは、
「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」 で著者は米原 万里です。
この本は米原さんの体験を書き綴ったエッセイとなっています。
幼少期にプラハのソビエト学校時代の3人の親友とのエピソード、また30年後、連絡も取ることもなくなってしまった3人に再び再会するまでの一連の体験を米原さんの独特な言い回しで読むことができます。
米原さんの本を読むのは初めてで、私にとっては衝撃的な1冊となりました。
というのも、70年〜80年代の東欧に対して、自分の無知を自覚させられたからです。表面的なことをサラッと世界史などで学ぶだけでは、絶対にわからない現地にする人の苦労や葛藤を感じることができました。
3人の親友はそれぞれギリシャのリッツァ、ルーマニアのアーニャ、ユーゴスラビアのヤスミンカで、それぞれの国特有の背景と共に、米原さんと親友になるまでが楽しそうに、ときに、辛辣に描かれています。
米原さんが帰国30年程度経った後、音信不通となっていた、3人に再会するところは、それぞれの親友が歩んできた東欧での出来事を米原さんを通して知ることができます。50年程度しか経っていない、最近のことなのかと感じることもあり、もう少し東欧のことを調べてみようかな、実際に行ってみたいなと思いました。
内容は重めのところがありますが、エッセイ全体を通して、小説のように軽く読めました。そこには、米原さんの独特な言い回しがあるからなのかなとも思っています。1つだけお気に入りのフレーズを紹介させてください。アーニャに30年ぶりに会えるとわかった時の米原さんの心情を書いたものです。
弛緩した筋肉にじわじわと喜びが染み込んでいく
筋肉に喜びが染み込むなんて、すごく素敵なですよね!
何気なく手に取った本で、歴史を勉強させられるとは思っていませんでしたが、結果として、自分の興味が広がるよい本に出会えました。
余談
仕事の合間に本を読むことが多いのですが、最近は読む本を紙にしたおかげで目の疲れが減った気がします。
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