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蒼紅杯~カルロフ邸殺人事件カップ 優勝 nelsonさんインタビュー ドメインランプの勘どころ


2月10日に開催されたスタンダード準最速戦で既存アーキタイプのドメインランプで見事優勝したnelsonさん( https://twitter.com/NelsonErich3 )にインタビューを行った。

これを機会に是非nelsonさんのことを知ってもらうことと同時に、ドメインランプに対する知見や強者がどのような思考をして試合に臨んでいるかを皆さんに知っていただける機会になれば幸いです。

決勝戦を2人で振り返りながらnelsonさんの思考に迫った動画もYoutubeの方でアップしているので、そちらも併せてご覧ください!


nelsonさんについて


蒼紅:自己紹介をお願いします!

nelsonさん(以下、敬称略):nelsonと申します。
MTGはイニストラードを覆う影(2016年)から始めたので、もうすぐ8年になりますね。競技志向で取り組んでいます。

直近の戦績としては、エルドレインの森のジャパンオープン2023でTOP16に入りました。

強者の証!


競技に本腰を入れて取り組み始めた切っ掛けは、ハイドロイド混成体が活躍したスゥルタイミッドレンジが流行っていた時期に行われた、マジックフェスト・京都2019(3月)にて、11勝3敗1分で初めてマネーフィニッシュをしまして

打ち消されてもドローとライフゲインができるすごいやつ


nelson:
その次の国内GPとなる、オーコの秋で有名なマジックフェスト・名古屋2019(11月)でも、12勝3敗といい結果を残せました。二回連続なら、前回のはまぐれじゃなかったのかな?みたいな(笑)

サンダージャンクションはどうなることやら!

nelson:
更にプロポイントも初めてついたんですよ!
じゃあちょっとやってみるか!と言った感じでした

プロポイント(プロツアー・ポイント)とは、世界選手権プロツアーグランプリ等に参加すると、順位に応じて与えられるポイント。つえーやつしかもらえないぞ!渡航費が支給されたりした制度。

m:tgwiki

蒼紅:おー!MTGアリーナが始まってすぐの頃なので知っている人も多そうです!ぼくも初グランプリは2019年の京都でした!(赤単使って初日落ち)
でも確かその1年後のイコリアあたりでコロナが流行し始めましたよね…?

nelson:そうですね…。ちょうどその頃、腕も結構ついてきたかな?と海外GPへの遠征を考えていたんですよ。それでパスポートを取って準備してたら、緊急事態宣言やらで行けなくなってしまいました。

蒼紅:えぇぇぇぇそんなことが…
その後マジックは辞めたりはしなかったんですか?

nelson:ちょっと経ってからアリーナの大会が頻繁に行われるようになったじゃないですか。ああいう大会に参加するようになりました。

nelson:

当時は、紙の時は対戦相手の所作で読み取るようなことがアリーナだとし辛くて、勿論アリーナ小テクはありますが…、対戦相手から読み取れる情報量が少ないので、アリーナを始めてからは自分のプレイの中でミスを減らすことに注力し始めましたね。

nelson:予選ウィークエンドにも参加しています。何度かDay2に行ってますがアリーナチャンピオンシップにはまだ行けてないです。いつか行きたいな…

蒼紅:(いつか行くだろうな..)

ドメインランプを選んだ理由

蒼紅:今大会で新カードを軸としないドメインランプを持ち込んだ理由を教えて欲しいです!

蒼紅杯で優勝したドメインランプ。メインからティシャーなの潮縛りが特徴的

nelson:大きく分けると2つありまして、
自分都合の話で、情報やメタが固まってない状態でデッキを組もうとすると謎の安定思考が働いてしまって、色んなところに勝とうとしちゃって回らなくて全然強くないデッキができてしまうんですね。
なので、デッキを作るときはメタが固まって、強いデッキに対して強い構成を考えるのですが、新環境ではわからんだろうということで、回し慣れているランプを握って、新カードはランプに入りそうなものだけに絞って入れるかどうかを検討しました。

nelson:ランプデッキは「エルドレインの森」のジャパンオープンの時から使っていて慣れていたことも大きいですね!

↑当時nelsonさんが使用したデッキ。9勝3敗でTOP16。強い

nelson:2つ目の理由としては、採用カードが強いので、新カードが入ってメタがごちゃついてもなんとか出来る程のデッキパワーが担保されていると判断したので選択しました。

やめてくれ…

蒼紅:他にデッキの候補はありましたか?

nelson:無かったですね(笑)
普段からもアリーナ起動したらデッキ選択のところで、前に使ったデッキにランプが置いてあって、そのまま対戦ボタンポチってます。


カード選択について

蒼紅:メインボードは既存のリストとそこまで変わらないですが、サイドぼーどに新カードの「毒を選べ」を2枚採用していますね!この理由を教えて欲しいです。

nelson:通常ですとこの枠に[石術の連射]が採用されているのですが

今まで何体のラフィーンが駆逐されてきたのだろう…


このカードも強いんですけど、たまに当たらないんですね。
どういうことかというと、大体エスパー相手に入るのですが、婚礼や白徳目が入ってる構成だと、サイズが大きくなって当たらないこともまあまああるんですね。
地上は4/4とかで大体止まるので、ラフィーンに一番当てたいんですけど、タフ6になってて焼けないこともまぁまぁあります。

nelson:よくあるのは、コウモリで[力戦の束縛]とか他の除去を取られて、婚礼が裏返ったりラフィーンの謀議でカウンターが1個乗るともう当たらなかったり…
すぐにこのカードが引けると打てるんですけど、中盤以降に引くと打つ先がなくてカード1枚にならないこともあります。

nelson:ゲーム序盤に引けてると1枚分の動きをしてくれるのですが、ゲームが長引いた時とかにちゃんと1枚分の働きをしてくれるかどうかが明暗をわけるな〜と思って採用しました。

蒼紅:なるほど〜[毒を選べ]だと対象を取ることはできないけど、何かしらと1対1交換できるのはいいですね!

nelson:エスパーは入っているカードの質も高いものが多いので、大体何を持っていけてもいいなと。なんでもいいんですよね正直(笑)勿論裏目ることもありますが。

nelson:小坂選手が準優勝した世界選手権頃のエスパーは[漆月魁渡]がサイドボードに取られてることが多かったのですが、最近は少ないのでそれも追い風ですね。あれがいるんだったら、魁渡に当てるために[石術の連射]を入れてもいいかなーと思います。

他の採用候補カードたち

蒼紅:ありがとうございます!他に採用しようかなと検討したカードはありましたか?

nelson:他ですと…結構あるんですけど

蒼紅:[極悪非道の達人]も候補にあったんですね!

nelson:これ実質インスタントで打てるジェイスかな〜と思って検討しました。ちょっと分からなくて入れなかったですね。もしかしたらジェイスよりもいいかもしれないですけど、色が問題なんですよね。

蒼紅:え…?(土地確認中)本当だ!!!気づかなかった!

黒マナが出るか数を数えてみよう!

nelson:実はドメインランプは黒黒が全然出ないんですよ。黒って5枚しか入ってないんですよ。トライオームと沼で終わりって感じで

蒼紅:全色満遍なく出る最強のデッキだと思ってました!

nelson:黒が一番出にくくて、次点で青が出づらいです。アトラクサと関係ない赤が結構出ますね。

蒼紅:サイドの削剥も珍しいなと思ってました!

nelson:当日のインタビューなどでは全然触れられなくて悲しかったんですけど、[削剥]が結構偉いんですよ。
3点で除去できるカードが結構多くて、例えばギックスはランプからすると結構嫌で、彼をサクッと倒せるカードってあんまりないんです。
除去が1枚しかないとコウモリで持ってかれて打てないこともあるので、なおさら輝く1枚です!

nelson:赤単に対しても偉くて、[ウラヴラスクの溶鉱炉]が割れるんですよ。

正直ぼくは[毒を選べ]よりも[削剥]の方に注目して欲しかったです(笑)

蒼紅:ここで聞けてよかったです!最近数は少なくなってますがスクーナー船も割れたりして丸いカードですね!
白マナが出るなら[失せろ]を入れたくなりますが、探検トークンが痛いんですよね〜

nelson:そうなんですよね〜サイドカードとして優秀だと思います!
喉首も黒マナが出ないので採用してません。

蒼紅:黒マナはアトラクサと怒りの大天使のキッカーコストでしか使わないんですね

nelson:その辺は[魂の洞窟]で天使を指定したら出せるので困らないですね!昔は黒徳目が入っていた時期があったと思うのですが、たまくつが入ったことで沼を取りづらくなったんです。なので黒徳目も採用しなくなってます。

天使指定したらアトラクサも怒りの大天使も打ち消せなくなるぜ!

蒼紅:なるほど〜〜〜!お話を聞くとバントコントロールに近い構成なんですね。

nelson:そうですね!フィニッシャーなどは異なりますが、似てるところは多いですね。

nelson:他の採用候補を採用しなかった理由は以下になります

改めてペタリ(毒を選べ以外)

nelson:メインに採用を検討したものから行きますね。
花粉の分析(ランド持ってくるやつ)
→証拠収集8はきつそう。7なら試したかも。メインはこれだけです。

サイドは(前提として、サイドにリソースを取るカードはいらない)
やらせはしない
→悪くはないけど何に入れたいのかが明確ではない。
失せろや邪悪ではダメなのか?
長い別れ
→良さそうだけど、PWがいないなら喉首でもよくね?あと色が微妙。
マルチ
クロールの鞭打ち
→2tに置きたいのに黒はちょっと。
ヘリックス
→赤単が多そうならとってもいいかも。でも重いし赤単を見るなら痛烈な一撃でいいかも。
緊急の検死 →何に入れたいのかイメージできなかった。 リソースは取れるから、一対多交換ができる必要はない。

ランプが欲しいサイドカード

nelson:ドメインランプはリソースはなんとでもなるので、1対2交換ができるよりも、1~3ターン目を捌けるかが重要になります。
たまにサイドに刺さっている[放浪皇]や[温厚な襞背]は個人的にはあまり評価していないです。[温厚な襞背]は墓地利用相手には活躍するかなとは思いますが、赤単などに対して3/3という殴り返しに行きにくいスタッツが微妙ポイントです。

nelsonさんのサイドボード

ベイロスは4マナですが、4/4というボディなので殴り返すことができます。
アトラクサを減らすマッチの場合、他で殴れる要素が必要になるので。
サメも殴り返しが早いので、こちらが攻めれるターンになった時に相手のトップデッキで負けるリスクが減ります。
[多元宇宙の突破]も採用されてることが多いですが、やはり黒黒が出づらいので採用してないです。

蒼紅:今改めて見て、差し替えたいな〜というカードはありますか?

nelson:枠がなかったのでできなかったんですけど、ベイロスとサメは2枚ずつ欲しいですね。
ゲームプランとして用意するのであれば、1枚では足りないという自論があります。
例えばベイロスが2枚あると[ヴェールのリリアナ]のプラス能力に裏目を与えることがしやすいのですが、1枚だけだと相手もやりやすいんですね。牽制にもならない時も多いです。
サメもアトラクサの代わりのフィニッシャーなのでやはり1枚だと足りないですね。

nelson:今見返すとメリーラですかね…。決勝の2本目は活躍しましたが。
このカードも赤単に良いんですよね。除去しづらいので横並びしてくれて、そこに太陽降下を打つプランが取れます。
毒がきついので3枚採用しましたが、当たらなかったですね(笑)

[脅迫]も要らなかったかもしれないですね。でも1枚は欲しいんだよな〜青絡みの後手とかには欲しいです。

豆の木が3積みな理由


2ターン目に出てきて欲しくないカード世界1位(蒼紅調べ

蒼紅:[豆の木をのぼれ]が凄い強いカードで絶対に2ターン目に置きたいと思うのですが、4枚ではなく3枚にした理由を教えて欲しいです。

nelson:4積みなリストが多いですよね〜減らしてる人全然見ないです。
2つ理由がありまして、まず赤単やエスパーなど序盤から殴ってくる相手に置いてる暇がないです。基本的にリソースを得るカードで、相手の攻勢に影響与えないんです。
[力戦の束縛]との相性はすごいですけど、エスパーを含めた序盤から攻めてくるデッキに対して、基本的に豆の木のドローができる5マナのカードを打ってる頃にはほとんどゲームが終わってると思うんですね。
大体どっちが勝つか見えてると思います。

nelson:[太陽降下]を打って通ったら有利になるし、打ち消されたら次のターン殴られて負ける。豆の木が関与しないんですよね。

蒼紅:あ〜試合が長引けば凄いカードですが、5,6ターン目まではただ置かれてるだけのことも多いですね

nelson:[力戦の束縛]と使う時だけは強いんですけどね〜
もう1つの理由は、[装飾庭園を踏み歩くもの]を3ターン目に置きたいんですよ。その都合で2ターン目は3色土地のタップインだったり[群れの渡り]のサイクリングに使いたいんですよね。タップインランドが12枚入っているので。
2ターン目に豆の木を置いて恐竜を置いてってかなり上振れなんですよね。
逆に2ターン目に豆の木を置いて3ターン目にタップインってランプがやりたい動きじゃないんですよ。
自分のやりたい動きに対して裏目があって、相手が攻めてくるデッキの場合は置いてる暇もないので、4枚いるか〜?となってます。

nelson:ドメインランプは前環境からあるデッキで、他の大体のデッキもランプへの対抗手段を持ってるんですね。
その時にアドバンテージ勝負をしてくるデッキってないと思うんですよ。早く殺そう!としてくると思います。
ゴルガリとラクドスのようなリソースをとってきながらハンドを攻めてくるデッキにはめちゃくちゃ強いです。

蒼紅:豆の木は4枚でしょ〜って脳死で思ってたので考えが覆された感じがして嬉しいです

nelson:ミラー相手でも相手より1枚多く貼ると引きすぎて負けるんですよね〜。なので-1枚か同じ枚数を維持することを心がけてます。
決勝でも、tarabaganiさんは1枚多く豆の木を置いたことで、LOを気にして動きに制限がかかっていたように思います。

一時期メインは2枚、サイドにもう1枚としていたときもありました。75枚中3枚はあって良いかな。

環境初期の蒼紅杯で想定してたメタと、それに対する構築

蒼紅:デッキを組んだ時に意識したデッキについて教えてください!

nelson:新しいアーキタイプの中ではボロス召集は意識していました。

新弾前のラダーで使ってた時のリスト。豆の木が4枚入ってる

新弾発売前はサメとベイロスが2枚ずつ取れてます※サメはメインに1枚サイドに1枚
また、赤単を意識していたので[痛烈な一撃]も3枚入れていました。
そして当時流行っていた毒デッキに全然勝てないし、[一時的封鎖]を入れたとて勝てないとなって、メリーラを3枚サイドに入れる選択をして、ベイロスやサメが抜けました。

nelson:ですが、冒頭のボロス召集には[一時的封鎖]が欲しいなとなって。でも枠が無い。
なので[痛烈な一撃]も赤単に入れたいけど、ここはもう[生ける治療、メリーラ]で良いんじゃ無いかと。彼女に頑張ってもらうことにしました。赤単に対してガードを少し下げた形ですね。
赤単は[痛烈な一撃]がなくても[群れの渡り]や[怒りの大天使]のキッカーを使いながら勝つことはできるので。メリーラの3/3が偉いので。

蒼紅:意識していたところが最大勢力だったのは流石です..!


Tier上位のデッキに対してのゲーム感とサイドボード

vsボロス召集

蒼紅:まずは意識していたとおっしゃっていたボロス召集から教えて欲しいです!個人的には大分不利なのかの思っていました。

nelson:まだ出てきたばかりのデッキだったので、皆さんまだ慣れてない部分もあったと思うのですが、やった感じあんまり不利じゃないな?と思ってました。

蒼紅:蒼紅杯の決勝ラウンドの解説をしてくださった小坂さん(世界選手権準優勝の強者)もランプの方が有利なんじゃ無いかな〜とおっしゃってましたね..!実際に1回戦と3回戦の2回当たって勝ってますね

nelson:3回戦目の方は2-0で勝利しています。なので有利かな~と思っています!
2ターン目[イーオスの遍歴の騎士]のブン回りされるときついですが、[ティシャーナの潮縛り]が即死を止めてくれますね。[イモデーンの徴募兵]も止めてくれるし。

割と色んなデッキに刺さる

nelson:[一時的封鎖]や[集団失踪]、[太陽降下]もあるので、全体除去を撃つまでに何点削られるかが争点になる戦いだと思います。
あと、ボロス側の攻撃が思ったより速くないんですよね。
今後の構成次第ではどうなるか分からないですが、意外となんとかなることが多い印象です。アップデート次第では厳しくなるかもしれません。

nelson:ボロス召集に対してのサイドボードはこんな感じです

IN メリーラ/一時的封鎖/脅迫/サメ/ベイロス/削剥
OUT 豆の木/ゼンディカーへの侵攻/ニッサ/アトラクサ

nelson:先ほどお話しした[豆の木をのぼれ]は全部抜きますね。
アトラクサは1枚残すかどうかはちょっと迷いますが、数を減らして代わりにサイドのクリーチャーたちを投入します。
メリーラはボロス召集にも結構偉かったです。3/3で序盤のぺちぱんを止めてくれるので。
単体除去はあんまり入れたくないので[削剥]はちょっと迷いますが、[上機嫌の解体]をスカらせることができるので入れてます。
[否認]は相手の構成次第ですね。

vsエスパーミッドレンジ

蒼紅:エスパーミッドレンジにはいかがでしょうか?

nelson:エスパーは結構難しいです。運ゲーだと思ってます。

蒼紅:エスパーは色んな構成がありますし、ティシャーナやスラルの採用枚数でも大分変わりますよね…
蒼紅杯でも1度だけマッチしてますよね?

nelson:勝った試合は殆どスト勝ちだったんですが、エスパーミッドにはしっかり一本取られてます(笑)

いや勝ちすぎ

エスパーはほんと難しいです。リストによってサイドプランも変わりますが、4回戦で当たった相手のリストを見ながらサイドボードしてみますね

https://melee.gg/Decklist/View/364359

nelson:ギックスが2枚、スクーナー船が2枚入ってたので[削剥]を入れました。ティシャーナも入れたかな?入れそうだな。豆の木は減らしました(笑)

対エスパーのサイドボード
IN 脅迫/毒を選べ/削剥/邪悪を打ち砕く
OUT 豆の木1枚/ゼンディカーへの侵攻/ニッサ

蒼紅:[フェアリーの黒幕]4枚入ってますしね…!

nelson:[常夜会一家の介入者]やアーテイ、ティシャーナもメインサイドで3枚入っていたので、前のめりに殴って押し切ってくるプランをとってくるのかなと思いました。なので豆の木でアドを稼ぐゲームにはなりづらいなと思い1枚減らしました。
その辺はほんと相手によりますね。ギックスが入ってなかったら[削剥]も入らないし。

vsラクドスミッドレンジ(発見デッキ)

蒼紅:ラクドス相手はどうでしょうか?

nelson:ラクドスは何パターンかありますがこちら側がやることは大体一緒です。このマッチは豆の木が強いですね!
実際に対戦したGonTVさんのリストを見ながらやってみましょうか。

https://melee.gg/Decklist/View/367386


nelson:[否認]は入れたいかな…。[ヴェールのリリアナ]がいるのでベイロスはいれないとですね。
先手後手で否認を1枚抜いたり、画像の左側をふんわり入れたり入れなかったりします。

一番左が時と場合によってサイドしたりしなかったり枠。豆の木は大事


蒼紅:[無法の仮面舞踏会]は結構嫌なんじゃないかなと思ってたので[邪悪を打ち砕く]は入れるのかなと思ってました

盤面すごいことになりそう

nelson:リソース勝負では豆の木とアトラクサで負けるわけがないので、脅威ではないですね。なんなら4マナで出して欲しいぐらいのカードです。GonTVさんもサイドでは抜いてたんじゃないかなぁ。
[死人に口無し]を入れてましたし。

vsバントコントロール(ミラーについても)


蒼紅:決勝で戦ったバントコントロールはいかがでしょうか?

nelson:確か決勝の前に小坂さんが「ランプの方が有利かな〜」とおっしゃってましたが、個人的にはSwissで負けてますし、決勝でtarabaganiさんの名前見た時に「終わった〜」と思いました(笑)それぐらいド不利だと思っています。運がよかったです。
でももしかしたらtarabaganiさんも同じ気持ちでお互いにきついな〜と思ってたかもしれません。

その辺の話を決勝見ながら話しますか!

決勝(vsバントコントロール)を見返しながら解説(動画)

こちらは動画でnelsonさんと蒼紅で話をしながら振り返っています!是非ご覧ください!

蒼紅:試合を見てると、ドメインランプとバントコントロールはやってることは結構似てますね!その上でバントコントロールに対して不利と思うのはなぜなのでしょうか?

nelson:多分ドメインランプミラーの話をするのが一番わかりやすいなと思ってまして、ちかさんはランプミラーはやったことありますか?


蒼紅:いや、実はやったことないですね…。

nelson:実はドメインランプミラーのメイン戦の勝ち筋の一つがLOなんですよ。皆さんもご存知だと思いますが、では何故LOで決着がつくのか?こっちが重要で。
一言で言うと、ランプは攻めるカードよりも守るカードが多いからこう言うことになるんですよ。


蒼紅:[太陽降下]で何度も何度も盤面リセットしますもんね〜

nelson:そうなんですよ。ランプのフィニッシャーってアトラクサだと思いますが、アトラクサが出ても20点削って即勝ちとはならないんですね。
[群れの渡り]もフィニッシャーですが、これが4枚入ってるのに対して、全体除去が6枚ほど採用されているんです。群れの渡りよりも全体除去の枚数の方が多いので流されちゃうんです。なんなら、5/5の培養トークンが出るので打ち損まであります。
なので、恐竜や[怒りの大天使]を並べたりして、どうですか?ラス打ちませんか?と[群れの渡り]以外に[太陽降下]を打ってもらう必要があります。

nelson:こちらはアトラクサ出すので7点削らせてくれませんか?とお伺いを立てると、対戦相手もじゃあこっちもアトラクサ出すのでお互い7点回復しましょ?ってなりますし、[群れの渡り]で盤面もらって良いですか?と聞くといや、それは厳しいので[太陽降下]を打ちますとなります。
ミラーは商談です(笑)TCGのT(トレード)ですね!
なので、ゲームが動かないし、豆の木やアトラクサで受けれるカードを探しやすいんですね。

なので、LOで決着がつきやすくなります。

nelson:で、これが同じようなコンセプトで組まれているバントコンでも同じことが起きるんです。
バントコンも入ってるカードはちょっと変わりますが、メイン戦ではアトラクサを対処するのがアトラクサではなく単体除去になり、相手がリソースを取る手段がアトラクサの代わりにXドローの[銀の精査]になってって感じで、起きてることはあまり変わらないんです。なのでメイン戦は同じくLOで決着がつきやすいのですが、tarabaganiさんのリストには[完成化した精神、ジェイス]が2枚採用されていて「終わったな…」と思ってました。

nelson:これつまりミラーのメイン戦で相手だけジェイスが2枚入ってるようなもんなんですよ。メインのジェイスは超強いので。
そして、ドメインランプよりもさらに受けるカードが多いので、LOで決着がつくことが多いですし、ジェイスが強いです。そのため、ドメインランプはバントコントロールに不利だと思っています。

蒼紅:nelsonさんが[完成化した精神、ジェイス]を採用してないのはなぜでしょうか?

nelson:枠の問題ですね。なんでも入れられるわけではないので。ジェイスはミラーやバントコントロール以外には不要牌になりやすいです。
代わりに様々なデッキに腐りづらい[ティシャーナの潮縛り]を採用しています。
ティシャーナではなくジェイスにしていたら落としていたマッチは多かったと思います。

蒼紅:エスパー握ってても、ジェイスよりティシャーナの方が断然嫌ですね…

nelson:そして先ほどからメイン戦と敢えて言ってますが、サイド後のジェイスはあまり強くないと考えていまして。なのでメインに入れられる枠がない=採用しませんでした。

もちろんサイド後もLOで勝つこともあるのですが、基本的にハンデス(脅迫)や打ち消し呪文が増えて、過剰に入っていた全体除去がちょっと減るんですね。

nelson:ミラーの時のサイドはこんな感じです。

IN 脅迫/否認/サメ
OUT 集団失踪/力線の束縛

nelson:ミラー後はゲームが適正になってお互いにちゃんと妨害ができて攻めにもいける戦いになりやすいので、メイン戦のようなお互いにリソースを奪い合ってゲームを決める手段が足りないと言う問題がある程度解消されるんですね。
そのため、LOでどうこうという展開になりにくいんです。サメも入るし。
攻める札が増えることで、[怒りの大天使]の4点でゲームが決まると言うこともしばしばあります。
なので、サイド後のジェイスは、弱いとまでは言わないですが優先度は低くなるかなと思います。


蒼紅:ドメインランプのリストを見ていると、サイドにジェイスを2枚とってる人も見かけますが…

nelson:個人的には無し寄りかなぁと思ってます。ジェイス入れるならメインかなと。本当に強いので。
ミラーとコントロールにしか刺さらないのにメインにしか入れづらい。でもメインでは裏目もあるジェイス…。と考えると良いかもしれません。
ティシャーナだと多くの相手が最低限警戒してくれますからね。相手の[ゼンディカーへの侵攻]の誘発も止めれますし、逆に自分の[ゼンディカーへの侵攻]を表にすることもできますし。
ニッサはサイド後もフィニッシャーとして活躍するので、サイド後も残しています。

ジャパンカップなどが終わった後の今のスタンダードで触ってみたいデッキ、注目してるデッキ

蒼紅:蒼紅杯やジャパンオープンが終わって、今注目しているデッキはありますか?

nelson:青白コンですね!(即答)
※インタビュー当日に113人参加のpizzaboxに青白コンを握って参加してTOP8になったnelsonさん

勝ちすぎぃ!

nelson:青白コンに対してドメインランプがあまり相性が良くなさそうですね。
もし青白コンが流行るなら、尚更青白コンを握った方がいいかなと思います。まぁ自分はコントロール使いというわけでもないので、エスパーとか難しいデッキと当たった時がまだ怪しいですが(笑)
ボロス召集がどこまで行けるかも気になりますね。洗練されてきた感じもするので。

おわりに

いかがだったでしょうか?
蒼紅杯では初めて参加者さんへインタビューをさせていただき、普段あまり聞くことができない強者の思考を垣間見ることが出来たと思います。
今はまたメタゲームが変わっていますが、プレイ中やカード選択の思考はとても参考になる部分が多いと思うので、是非自分ならどうするか、との比較をしたりして腕を磨く材料にしていただければ幸いです。

次回の蒼紅杯~サンダージャンクションの無法者は、4月21日(日)に開催予定です。新たなスタンダード環境で腕試ししたい人たちの参加待ってるぜ!
蒼紅杯のTwitterアカウントもあるので、最新情報はこちらでチェック☆

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