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泡日記 あたらしい日の前に

ここ数日、犬は通院して注射を打ってもらっている。最近まで病気を抱えているようには傍目には見えないぐらいだったのが、急に調子を崩してしまった。五日間連続で注射を打ってもらう治療の、今日は三日目。昨日は薬が効いているように思えたのが今日は食欲も再び落ちて元気がない。ごはんを食べたがらないのが一番のバロメーターで、見守るだけしかできないのがもどかしい。今も私の横の指定席で目を開けたまま丸くなっている。
治療費も高額で、先生の説明で明日はこの検査とあの治療とこの注射をと言われると、それはいくらになるのでしょうかと喉まで出かかるのだがすぐに聞けず、あとで受付のお姉さんにこっそり聞く。老犬に入ってから加入した犬の為の保険は通院治療では使えないのだった。犬の為なら何でもやってあげたいと思うのに、こんな考えがかすめてごめんと思うよ。
でも犬が私のそばが安心と思ってくれていると信じて、まだまだそばにいさせてね、お世話させてね。

犬も13年一緒にいると一番内側のサークルにいる家族で、そんな考えが巡るのは離れて暮らす両親のことを思う時だ。せめて年末には顔を見に行かなきゃと思うのを、長い留守番が不安になった犬の具合と思いがけない治療費で二の足を踏んでいる。無自覚だったプライオリティに気が付いてしまって、それは結構な打ち身のようなダメージなのだった。
また固まりそうだなぁ。フリーズは動いていれば時にかかっていいけれど、止まっている自分がかかるとただの言い訳である。
と、そんな具合で自己肯定感が超低空飛行の時に、私の「なければならない癖」を思いメッセージを下さった方がいて、何度も読み返し、こんがらがった糸を溶かすイメージを持たせてもらえた。(きっと解くが相応しいのですが、私の中では糸が溶ける感覚に近くて…。)

12月というのに上着も脱いでニットも脱いで、照り付ける日差しを手の庇で遮りながら子供の練習試合を見ていた。今日の対戦チームは強いと聞いていたけど、実は学年がひとつ下だったと分かって、隣で同じく観ていた母達と笑って衝撃を和らげる。息子たちも結構頑張っている方だけど、上には上がたくさんいるのだった。
天気がいいから人工芝の緑がひときわ鮮やかだ。今日は土の代わりにソックスにたくさん人芝をつけてくる。洗濯大変だよねぇと愚痴をいい合う私たちは、子供たちが年末ぎりぎりまでカップ戦やら練習の予定で、一緒にいるのが当たり前のようになった親たちだ。YouTubeでアスリートキッズの食事を学んだり、サッカーノートの付け方をアドバイスするために、中村俊輔の本を古本で見つけて参考にしたりする私たち。
子もだけど親も頑張っているよねぇ。
こんなに練習してるから、なんとか彼らの目指す強さを目指してほしいねぇと笑って別れ、そして明日も会う。

さぁもうすぐ今日が終わって、また明日になる。
Tomorrow is always fresh with no mistakes in it yet.
ステイシー先生の言葉を明日の自分に送信しておこう。
明日はまだ失敗のない、常に新しい一日なのだよ。




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