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泡日記 梅雨入りです

我が家の犬は飼い主に似て犬見知りである。
犬同士での挨拶が上手くできる時と出来ない時があって、圧倒的に出来ない方が多い。犬同士で顔が近づくと概ねワンワンとうちの犬が吠えるので、出来るだけ顔に行かないようにリードを調整して構える。
その代わり人間のことは大好き。相手の飼い主の好意的な空気を察知すると、かりんとうみたいな尻尾を引きちぎれんばかりに振って応える。
当然あちらにもリードで繋がった犬がいる。飼い主さんにうちの犬が吠えるかもしれませんと一声掛けておいても、吠えるとやはり驚かせてしまい申し訳なくなる。

犬は先月13歳の誕生日を迎えた。人間でいえばとかはあまり考えない、というか考えないようにしている。動きがちょこまかしているので年齢を伝えると大概驚かれる。見た目が元気というのは良い事だ。

7日飲んで20日間休むという抗がん剤の服用を今年に入ってから続けてきた。服用する量はまだ微量なのだけれど、最近になって副作用が現われ始めた。個体差はあるらしいが、うちの犬の場合はお腹を下すパターンである。頻回なときは夜中も二、三時間時間おきにトイレ掃除をしなくてはならない。それも昨日ぐらいから落ち着いてきたからよかった。犬同士の挨拶なんて上手くならなくてもいいよ。穏やかに隣にいてくれるだけで十分よ、と毎日思う。

朝の公園には時間帯によって犬とその飼い主による集団が出現する。彼らはお互い了承を得たうえで、飼い犬以外の他所の犬におやつを与えあったりする。そういう場で犬同士にコミュニケーションが取れたりもするのだろうけど、うちの犬はアレルギーを持っているので遠目に眺めるだけにしている。

散歩で地面を見ながら歩くのは、時々美味しい落とし物が転がっているからで、つい犬が拾い食いをしないように注意をしている。

地面を見ながら歩いていると、季節がらか蟻の活動が活発なことに気が付く。芝生のちょっと茶色くなった部分や、木の根元の脇に大小の穴をいくつも開けて、一般的な大きさの蟻や、立ち目線でも部位がはっきり見えるぐらいの大きい蟻やらが、ものすごい数穴に出入りしている。
私はむずむずしながら、蟻の動きに暫らく目が離せないでいる。手ぶら?で出入りしているのもいれば、虫の羽のようなものを健気に運んでくる来る蟻もいる。うちの犬は蟻に興味がない。

昨晩子供にきつくあたってしまった事を少し忘れていたのに、穴に木の棒をつっこんでみたらどうなるのだろうと一瞬よぎり、同じこの公園で、まだ幼かった息子が蟻の巣穴を枝で無常に掘っていた姿を思い出し、また悶々とする。昨日の私は、子供にやることをやれないなら好きな事を取り上げる、みたいな卑怯な詰め寄り方をした。悔しかったろうな。私だって自分が子供だった時に言われた気持ちをまだ覚えているのに。
ごめんね、泣かせてごめんね。
小さくて丸いあの時の背中は、まだ公園のこの辺に残像として落ちている。小さな私と並んで謝る気持ち。

帰ってAra baturを聴こう。
思えば同じ曲を繰り返し聴くのが好き。シガーロスが好きだけど、たくさんの曲は知らない。このアルバムの同じ曲ばかり聞いている。
ちょっと波に揺れたら、梅シロップの準備をしようと思います。


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