不調は突然やってくる

昨晩の就寝前、急に胃腸の調子が悪くなった。もう寝るだけなので、とりあえず胃薬を飲んで様子を見る。隣で穏やかな寝息を立てている息子には具合が悪そうな気配はないけれど、念のために二人とも熱をはかり、平熱で一安心。

しくしく痛む胃を抑えながら、晩御飯に食べたものを思い出してみる。
牛肉と野菜の塩炒めと、豆腐とカニカマのとろみスープ、息子とつくった塩おにぎり。息子だけ1パック余っていたもずく酢。私だけ辛子明太子の残り、私だけ冷酒おちょこ一杯。

辛子明太子の残り、でしょうか。
冷酒おちょこ一杯、でしょうか。

思いつくのはこの二つだけ。
息子が平気とあれば、私だけが口にしたもの以外に心当たりがない。体調やら食べ合わせやら、複合的な要因が重なって私だけ胃腸をくだしたのだと結論づける。ベッドとお手洗い(汚くてすいません)を往復しながらおしよせる後悔の念。

食べたのはいつもスーパーで買う辛子明太子と違って、頂きものの無添加無着色の明太子。冷凍だったのを冷蔵庫でゆっくり解凍したので、開けた初めから色が写真と違ってうっすらグレー色をしており、迷ったけど一口食べると美味しく、それからはこの1週間かけてちみちみと頂いてきた。
その勿体ぶって残していた最後の一腹が、いよいよアウトだったのかもしれない。それに、久々に握った塩にぎりとこの辛子明太子でちょっとクイっといきたいと、めったに呑まない日本酒に手を出したのも悪かったのか。
平気と思っていたのに悔しい気分。

身体から悪さをする要因が出てしまえば落ち着くはずだ。飲んだ胃薬ももうすぐ効いてくるはずと、お腹を抱えて痛みの波をやり過ごす。

調子が悪い時。その最中に私は、この痛みがなかった時の平時の状態の自分を思い浮かべようと試みる。
この痛みがなかったら、当然ながら「痛い」感覚を持たずに過ごしていた自分がいる。代えたばかりのシーツの心地を足でさすって楽しんだであろう事、youtubeでパンダの動画を観ただろう事。枕元に持ちこんだ数冊の本を、どこから読もうかと思案するちょっといい時間を過ごしていた事などを思う。
辛いよぅ…、と今の痛みをかみしめながら、痛みのない平時が、どれだけ体と心にとって平和でありがたい事なのかということを、意識して心に刻む。
覚えとけ 私の身体 この痛み。

これから年をとっていくと、何かしらの身体的痛みを持つ時間は長くなってくるのかもしれない。最近は昨晩のように突然不調になることもしばしばで、そのスパンは短くなってきている気もする。
先日も夫に触発され、調子づいてこってり&辛いラーメンを食べた。そのあと暫くして私だけぐるぐるとお腹の調子が悪くなったばかりだ。
少し前までは刺激の強い物や、ちょっとモノが悪いのを口にしても耐えていた内臓が、最盛期を超えてすぐ不具合を主張するようになったのだ。
もう若くはないのだし当然と言えば当然のこと。

これは若かりし頃の、二日酔いの地獄で得たデータとは毛色がちがう。
あの日々は、例えば私の身体が、ビール→焼酎→赤ワインの流れを受け付けないという事や、ショットはご法度なこと、ちゃんぽんは2種までということを叩き込んでくれた。(子供を産む前の在りし日の私よ...。)

それとは違って、これからは慣れ親しんだ習慣による不具合にも出会い、データ化していかないといけないのだ。
ちょっと顔色の悪い明太子には注意を払うとか、胃もたれ必須のラーメンには手を出さないとか、そういうこと。

あと、人は夜中に冷静さを失うと、トイレットペーパーとキッチンペーパーの見分けがつかなくなる。
少しおちついた間を縫って、1階まで紙の在庫を取りに行って血の気がひいた。そこへちょうどLINEのお知らせがピコンと入った。

かえります。夫のLINEへ 妻返信 
トイレットペーパー 在庫ゼロ
(買ってきて~泣!+絵文字)

朝起きたらすっかり すっきり元気です。


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