揺れる心

催眠術をかけるため、
目の前にペンダントのようなものをぶらさげて、
左右に揺らして呪文を唱える情景を、
古い映画やドラマで見たことがある。

つまり揺れるものには、
心を深く左右する効果があるからだろうし、
事実私たちの心はあまりにも揺れやすい。

何か欲しいものがあって、
手に取って何度も逡巡し、
美味しいものを食べたくても、
健康とダイエットを考えて我慢する。
仕事においては、心揺れる場面の連続。

恋においては、
揺れるのが恋と言わんばかりに、
誰もがこれまでたくさんの場面で揺れて来たはず。

この人を好きになっていいのかな。
この人に抱かれてもいいのかな。
この人を信じていいのかな。

その度に理性と本能との間で、
吊り橋を渡るように人の心は揺れ、
だいぶあとになってから、
その選択を後悔したり、安堵したりをくりかえす。

そんな風に揺れるのが人の心なら、
いざ二人で抱き合う事になったなら、
互いの体を揺らすことを楽しもう。

ピアスをしているならばそのままで、
男の上で腰を振るときにはそれを揺らし、
下から見上げる男に催眠術をかければよい。

たわわに揺れる乳房も髪も、
男の激しい攻撃に揺れる尻も、
その揺れが男を幻惑し、
あなたの虜にしていくはず。

男に抱かれる前に心を揺らした後、
男に身を委ねた女の催眠術は、
そう簡単には解かれない。