幸福純度100%のため息

ため息ばかりついていると、
幸せが逃げて行くというけれど、
私はそうは思わない。
時々ため息をついたほうがよい。

ため息つかないと、
心の中に我慢が溜まってしまい、
体までも悪くしてしまいそう。

ため息は幸福を連れてくる。
仕事で疲れて帰宅して、
あったかいお風呂に入った時、
風呂上がりに冷たいビールを飲んだ時、
ぬくぬくしたお布団に潜り込んだ時、
ふっとこぼれるため息とともに、心も体も安らぐ。

そして、
大好きな人が電話をくれて、
その優しい声を耳にした時や、

待ち合わせの場所に着いて、
自分を見つけたその人の笑顔を見た時や

ひっしと抱きしめてくれて、
背中にまわる掌の感触とその熱い胸板に包まれた時も、

幸せなため息があなたの唇からこぼれ落ち、
そのため息を聴いた相手の心にも
幸福を注ぎ込んでいく。

そしてそのため息が、
すぐに甘い吐息に変わる。

あなたのキスをした後、
唇を離した後のため息も、

あなたの中に入れた後の、
あなたの情感こもったため息も、

幸福の純度１００％のため息。