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いにしえ とこしえ

ぼんやりとて何かを思う時、
過去を見るか、未来を見るか。

その時は、
頭の中によぎるものに任せれば良いのだが、
それが昔の事が多いのか、
これからの未来の事が多いのか、
いったいどちらだろう。

少年少女の時代は未来に想いを馳せ、
年齢を重ねるにつれ、
過ぎた過去を想う事が多くなるのかもしれない。

しかしそれのどちらが多かろうと、
さほど大きな問題ではない。

過去のいくつかの場面において、
自分の人生の岐路を思い出し、
あの時違う道を歩んでいたら、
今の自分はどうなっていたのだろう。

しかしそれは答えの無い問い。

すなわち過去を想い出す事は、
そこから繋がっている今を想う事で、
そしてこれからの未来につながる事になる。

人間が歴史を学ぶのは、
人間のこれまでの歩みを学ぶ事で、
人間の未来を良いものにしようとするからであり、

私たちも自分の未来を良いものにしたいと想うなら、
過去の自分を想う事はとっても大切。

たとえばあなたに大切な人がいるのなら、
出会った時の事、
それからの楽しかった事、嬉しかった事、
蕩けてしまったキスも、とっても気持ちよかった情事も、
時々ぼんやりとしながら思いだすと、

その恋もまたよい未来となるに違いない。
そしてその恋の未来に想いを馳せる。

今という時から
後ろを見れば、それは「いにしへ」の方向で、
前を向けば、それは「とこしへ」の方向。

道はずっと繋がっている。

「いにしへ」とは「往にし方向へ」、すなわち過ぎた過去へ。
「とこしへ」とは「常こしへ」、すなわち今がずっと先まで。

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