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あいの言葉
あなたの「ああ」という声が、
私の愛撫が深まるにつれ、
しだいにその母音は「い」に変化して行く。
「ああ」から「い」に変化する最初は、
「いれて」という言葉となり、
あなたの中に入った私のものを
あなたは腰を動かし感じながら、
その可愛い唇からは、
「いい」というため息がなんども漏れ始める。
しかし私が激しく動かし、
あなたの奥を突いたりすると、
「いや」というあらがいの言葉にも変化する。
「いや」というのなら止めようかと私が意地悪すると、
「いいえ」というように首を振る。
そんなことを繰り返すに連れて、
あなたの快感はどんどんたかぶって行って、
「いく」と切羽詰まった小さな叫びを出し始め、
私はその叫びに従うように、
「いきなさい」とあなたの中にあるものを、
さらに激しく動かし続ける。
そして、
「いよいよ」あなたが大きなうねりに巻き込まれ、
「いく」は
「いぐ~」という断末魔の響きとなり、
私もその頃合いにあわせるように、
「いざ」とばかりにあなたの中で果てる。
一緒に「いって」しまったあとは、
「いつ」までも抱き合っていたくて、
「いま」のこの幸せを共に味わっている。
そして私があなたの体から抜いた時、
「ああ」というため息がもれ、
あいの言葉は一回りする。
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