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ど根性情念 (宗安小歌集20)

「思ひは是草根 切ればまた生じ、また生ず」(宗安小唄集)

晴天の日に外に出れば、
夏空に緑の青葉が映えて
街路樹も公園の木々も山の樹林もここぞとばかり、
その緑色を誇っている。

植物たちは、その色彩の豊富さと、
みずみずしさをもって、その生命力を誇っている。

そんな目立つ植物ばかりではなく、
雑草たちが力強く伸び始め、
これからは刈っても刈ってもまた伸びて、力強さを誇りだす。

本当に植物の生命力は素晴らしい。
一頃に騒がれた「ど根性」が付けられた野菜の例を挙げずとも、
この季節になれば、その色彩を浴びながら、
私たちは知らず知らずに元気づけられている。

「思ひは是草根 切ればまた生じ、また生ず」(宗安小唄集)
私のあなたへの想いはまさに草の根の如き、
切ってもまた生まれ、また切ってもまた育っていくのです。

本当に心まで奪われてしまった想い人に対する想いというものは、
いろんな環境や試練で断ち切られても、
あるいは自分の気持ちの変化で自ら断ち切ってしまっても、
やがてまたむくむくと生えて育ってしまう。

その想いは、
たとえコンクリートの破れ目や煉瓦の隙間からだろうと、
ひるむことはない。

ましてはこんな日だまりのようなぬくもりが与えられたなら、
さらにたくましく存分に伸びていくことに鳴る。

この「あなたへ想い」へのたくましさには、
自分でも頭が下がるほど。

まさに「ど根性情念」。
そしてきっと、あなたの「ど根性情念」は、
燦燦と輝く春の太陽の下でその色彩の美しさを誇る。

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