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東京都知事選挙2024 分析④ 田母神俊雄


はじめに

 2014年の都知事選挙で60万票以上を獲得し供託金没収を免れた元航空幕僚長の田母神ですが、今回は27万票程度にとどまり、供託金は没収になりました。では早速、投票の傾向を明らかにしていきます。

集計方法

 こちらを参考にしてください。

田母神俊雄データ集

 まず得票率のマップを載せ、その後社会的背景との散布図を掲載します。

得票率

田母神俊雄得票率

 前回から得票率を落とした田母神氏。港区・千代田区の辺りで得票率の高いエリアが固まっています。主要4候補の一角としてマスコミに紹介され、多摩地区でも一定の得票を得ています。

老年人口割合

田母神俊雄得票率-老年人口割合

 回帰直線が直線性の強い右肩下がりです。老年人口割合が高い地域ほど得票率が低い傾向が明瞭に現れるという石丸に似た形となっています。

単独世帯割合・子育て世帯割合・実質単独世帯割合

田母神俊雄得票率-単独世帯割合
田母神俊雄得票率-子育て世帯割合

 こちらも石丸と同様で、単独世帯割合が大きい地域ほど得票率が大きい傾向が強く現れています。決定係数は老年人口割合のそれ以上に大きいですが、同世代で比較するとどうでしょうか。

田母神俊雄得票率-実質単独世帯割合

 同世代との間で見ると、依然として単独世帯割合が大きい地域ほど得票率が高く、その直線性もそれなりに大きいです。

外国人人口割合

田母神俊雄得票率-外国人人口割合

 外国人人口割合が大きい地域で得票率が高く、直線性も強く現れています。田母神は自虐史観教育の修正や外国人への生活保護の廃止を掲げている候補であり、外国人が多くなるほど排斥的な風潮が強まることを示唆する結果です。

平均年収・実質平均年収

田母神俊雄得票率-得票率
田母神俊雄得票率-平均年収

 平均年収が多い地域ほど得票率が上がる傾向ですが、投票した層が現役世代に偏ることを反映したにすぎず、実質平均年収の地域差は得票率に影響していないという結果です。ただし外れ値とした港区、渋谷区、千代田区の得票率がいずれも4.6%以上と高くそこを含めて検討すると傾向が残るという味方になります。

まとめ

 地域別で見ると、港区・千代田区辺りで得票率が高くそこから離れるほど得票率が下がる傾向。ただし下がり方はさほど強くないです。石丸と同じで老年人口割合が大きい地域で得票率が下がる傾向が明瞭に現れました。単独世帯割合が大きい地域ほど得票率が高い傾向が非常に強く、同世代で見てもこの傾向が色濃く残ります。一方、平均年収の地域差は同世代で見ると影響は小さいです。外国人への生活保護の廃止を掲げる候補であり外国人人口割合が大きい地域で得票率が大きくなっています。

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