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エスカレーター式に通り過ぎていった春。

仕事の帰り道。

街中の桜の木がいつの間にか咲いているのに気が付いた。

そばまで行ってみると、もうだいぶ葉桜だった。

散った花びらがが風にまって、エスカレーターが運んでいてそれがすごく印象的だった。

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綺麗。だけどなんだか切なかった。

今年は桜を愛でることなく、春が通り過ぎていってしまった。

自分の心が荒んでいるような気がして、なんだか悲しくなる。

目に見えない脅威のせいにするのはとても癪だけど、

こんなエスカレーター式みたいに季節が過ぎていくのは初めてだ。

一日でも早く、のびのびと外を歩き回れるようになって自分の足で、目で、耳で、肌で、季節の移り変わりを感じられたらいいのに。

どこでも外で気兼ねなく思いっきり深呼吸したい。

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