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描いた絵を気持ちわるいと言われた小学生の娘の話

小学校高学年女子。年齢も二桁になると難しいお年頃。

ある日のこと。
娘がみるからに落ち込んで帰ってきました。
聞けば、学校で絵を描いていたら仲良しの女の子に
「気持ちわるい」
と言われ悲しかった、と。

娘は小さな頃からいろいろな絵を描いて楽しんでいます。
イラストレーターの画集をおこづかいで買ったり、ペンタブで描いたイラストをアップしたり、最近はコピックを毎月1本づつ買い足すのが喜び‥くらいには絵を描くことが好きです。

気持ちわるいと言われたのは、女の子の絵を描いていた時だそう。落ち込む娘に「それは嫌だったね」と言った後、言葉が途切れます。

私も絵が好きな小学生で、女の子も漫画も描いていました。でも高学年になるにつれてそれを人に見せるのが恥ずかしくなっていきました。

うんと小さな頃は自由に絵を描いたり歌を歌ったり、表現すること=喜びだったのに、思春期に向かうにつれてそれが難しくなっていく。
恥ずかしい、人と比べられる、変な目で見られる‥‥
そんなマイナスの感情が生まれて人に絵を見せることはすっかり辞めてしまいました。周りの友達もおおよそそんな感じでした。
そんな中で、好きなことをするのに周りの目なんか気にしていられない!という子もいるんです。
私はその子をどんな目で見てたかな‥‥
きっと冷めた目で遠くから見てたのだと思います。心の内では「羨ましい」と思ってるのに。

お友達はかつての私と同じように、自由に絵を描いたりすることや表現することが恥ずかしいことだと感じているのかもしれない。自分はできないことを堂々と楽しんでいる娘を見てモヤモヤして出てきた言葉が
「気持ちわるい」
だったのかもしれない。

娘にはそんな話をぽつぽつとしてみました。
納得したかどうかはわからないような微妙な顔で
「思春期ってめんどくさいね」
と言って、娘はまた好きな絵を描き始めました。

娘にもこれから、思春期が来て人前で描くのが恥ずかしいと思うようなこともあるかもしれない。でも願うなら私があの頃羨ましいと思っていた子のように周りの目なんか気にしないで好きなことを続けてほしいと思った平日の夕方でした。

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