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海に揺られて気づいたこと

「海に行こう!」
と、満面の笑みで娘が叫んだ。

え!!!
きょう!?
いまから???

おむすびを結び、
おやつを用意して、
麦茶を水筒に入れて、
ワンピースの下に水着を着て、
家を出た。

海はすでにひとでいっぱい。
それでも、ちゃんとなるようになって、
うきわを抱えて、海へ向かって走っていく。
素足が熱い。

波打ち際よりも少しだけ奥のほうへ進んで、
ひたすら、ぷかぷかゆらりゆらりと浮かんでいた。
波に揺られて、気持ちがいい。
ゆらりゆらり
ぷかりぷかり
水面に空が写って、
きらりきらりと揺れている。

空は優しくて、海も優しくて、
ぷかりぷかり
いつまでも浮かんでいられる。

だいぶぷかぷかしていたのちに、
陸にあがることにする。
足がつくところまでぷかぷか揺られて、
いざ波打ち際に足をついて立ち上がる。

むむむむむ
んんんんん!!!
なんだこの足の重さは??
夢の中で走っているときみたいに、
からだがなかなか前に進まない。

波に足を取られているわけではない。
ただただ、足が重い。腰が重い。
からだが重い。
これが、重力なのか???
いやはや。
そんな。
なんだこのまとわりつく重さは??

ふと思った。
ここ最近の「ぶらんこちゃれんじ」にしても、
本当は、素の、本来のわたしは、
ぶらんこや波に揺られているときみたいに、
軽く柔軟にいたいんだろうなぁ。

重くしているのは、わたし。
あれやこれやの思考や思い込みや固定観念や、
ひとからの声や目や、
過去やいらぬ未来の焦りや、
そういったものを勝手にたくさんまとって、
重くしてる。

もっと波に揺られるみたいに、
ぶらんこに揺られて風を感じるみたいに、
軽く、軽く、委ねたらいいんだぁって。


短い夏だけれど、
もうあと一回くらいは、
また海に行きたいなぁ。





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