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娘の小児科と宇宙のはなし


昨年のこと。

11月末から激しい咳に悩まされていた当時小学3年の娘。
年末にやっと高熱を出せて、
咳もようやく治まりかけたと思っていた年明け。
またまた高熱を出し、激しい咳ふたたび。

咳が出ることや高熱が出ることに関しては、
「出る理由」があってのことだから、
全く心配はしていないのだけれども、
症状があまりに激しいと、さすがにどうにか和らげてあげたいと思い、
めったに行かない、でもかかりつけの病院へ行った。

娘の学校の校医もしてくださっている先生は、
おおらかであたたかなものごしで、
いつもにこやかに迎えてくださる。
(そして不思議なひとだ…)

「カクカクシカジカで、歯が3本立て続けに抜けて、
 1年半生えてこなかった歯がようやく顔を出して、
 高熱を2度出したらまた激しい咳が....」とわたしがする話を、
にこにこしながら聴いてくださり、

「次何年生になるんだっけ?」

「3年生は、自分になるための年なんだよ」

「名前の由来は聞いたんだっけ?」

「名前と同じ漢字を使っている骨が体の中にあるんだけれど、知ってる?」

「17歳になったときに、はじめて、
 この漢字のひとつめの意味を知ることが起きるよ」

!!!!!!

「抜けたこの3番、4番の歯はね、言葉にとても関係していてね、
 学校は日本語、英語、中国語をやってるでしょ。
 だから、今、口の中は、咳も一緒にそれに合う形になるのに
 一生懸命に整えているところなんだよ」

「熱と数と音楽と歯、この4つはとても関わりが深いんだよ」

「副鼻腔ってあるでしょう。大事なのは、骨の方でなくて、 
 空間の方でね。ここに設計図があるんだよ。
 それが8-9歳のころに、ひもとかれてくるんだよ」

「すべては言葉からはじまった、って言うでしょう。知ってる?」

もう、ひたすらに興味深くて、
なんて素敵なお話を聴けたのだろう!とぞわぞわ、わくわく。

そして、最後に、「で、今日はなんだったんだっけ?」と(笑)。

わたしは「いやあの、痰が絡む咳があまりに激しくて、
笑いすぎると吐き戻してしまうから、笑わないようにしようとすると、
もっと笑っちゃって、また咳が苦しくて...
学校が休校だったので来てみました...(苦笑)」と。

なんだか、もう、目的はなんでもよくなっていたけれども、
ひとまず自然由来のお薬を処方していただいて、帰ってきた。

娘の成長が、ますます楽しみになって、
いまここの宇宙と、にんげんという宇宙の関係の
不思議でとてつもなく興味深いお話だった。


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