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スッキリしたい人だけが並ぶ洗車待ち


 朝、役場への用事を済ませたあと、あまりにも汚れて白っぽくなっていた車のセルフガソリンスタンドへ洗車に行ってきた。朝の9時すぎ、しかも平日だというのに洗車を待っている車は多くて、すでに3台待ちだった。洗い終えた人はタオルを持って丁寧に車を磨いていた。拭き取り場所では、100円で5分間動く掃除機が設置されていて、クレーンのように上から垂れ下がってくるタイプのものなのだが、いつもあれが車に当たりはしないかとヒヤヒヤする。ちょうどその掃除機を使っていた車が中型サイズで、ドアを開けて掃除機をかけている間に車の上で動くクレーンが際どいところを避けているのをヒヤッとしたりドキッとしたりしながら見つめて待っていた。今日はとてもいい天気だったので、洗ってスッキリした車がピカピカに光っていて綺麗だった。わたしも数分後には、あのようにこの車をスッキリさせているはずだと思ったが、洗車のモードによってはとても念入りに洗ってくれるものもあって、わたしの前にいる車は、あのぐるんぐるんと回るモップのようなものが何往復もしていた。予想の倍以上の待ち時間だった。

 本当に洗車がずいぶんご無沙汰だったので、わたしも念入りなモードにしたかったのだけれど、後ろにはまだ待っている車もあったので、1.5往復で洗ってくれるノーマルモードにした。こういう時、めちゃくちゃ気を遣ってしまうので、1.5往復でも長い、待たせてしまっているな、と申し訳ない気持ちに勝手になっていた。優雅に読書でもしようと思ったが、そもそも思いつきで、出かけついでに洗車をしにきたので本を持ってきていなかった。ふりかかってくる洗剤や、ゴロンゴロン言いながら洗ってゆくモップ(みたいなやつ)、太陽の光で反射して光りながら流れてゆく水と泡を、ただただ見つめていた。終わった後もさっさと車体を拭き、本当は掃除機を使おうと思っていたのだが、わたしの前で丁寧に洗っていた車の方がこれまた掃除機も丁寧にかけているようだったので諦めた。(100円を追加していた。)

 そのまま祖母の家へ寄ってワックスがけをした。恥ずかしい話ワックスがけが人生で3回目くらいで、ほぼ新鮮な気持ちで挑んだら楽しくなってしまって、時間制限を考えずに全部へ塗ってしまったので拭き取るのに苦労した。汗だくになった。だけど、今までにない光沢に仕上がったのでとても満足した。古いものも大事に使えばどうにかやっていけるもんだなあとぼんやり思った。


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 祖母の家でしばらく過ごし、その間にランチョンマットを作ったり、祖母に懐いている通い猫に餌をやってみたり、桃を食べたりしているうちに昼はすぎるし夕方近くなっていたので帰宅し、少しだけ読書する。歌集『心がめあて』と『水の聖歌隊』を読み、もはや眺めていたのだけれど、まるで絵画を見ているような、でも、音楽を聴いているような、とにかく読んでいるというよりは感じ取っている、という感覚の中、すん、っと夢の中に入った。約30分。目が覚めたら陽が沈みかけていた。もう1日が終わるなあと思いながら、今日も早めのお風呂を済ませた。風呂場で髪を切った。いや、刈り上げた。とてもスッキリ。


 夜、本を読もうと思ったら用事が入る、を繰り返しているうちにこんな時間になった。まあまだ夜は長いので楽しむことにする。


 

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