ミルクボーイ風漫才「名探偵コナン」
A「うちのオカンがね、好きなアニメがあるらしいんやけど、そのアニメのタイトルをちょっと忘れたらしいねん」
B「好きなアニメのタイトル忘れてまうて。どうなってんねんそれ」
A「で、まあいろいろ聞くんやけどな。全然わからへんねんな」
B「わからへんの? いや、ほな俺がね? オカンの好きなアニメ、ちょっと一緒に考えてあげるから、どんな特徴ゆうてたかってのを教えてみてよ」
A「あのな、『見た目は子ども 頭脳は大人』っていうキャッチフレーズがある探偵モノのアニメやって言うねんな」
B「おー、『名探偵コナン』やないかい。その特徴はもう完全に名探偵コナンやがな」
A「名探偵コナンなぁ」
B「すぐわかったやん、こんなもん」
A「でもちょっとわからへんねんな」
B「何がわからへんのよー」
A「いや俺も名探偵コナンやと思てんけどな」
B「せやろ?」
A「オカンが言うには、殺人事件の犯行動機には、毎度納得させられるって言うねんな」
B「あー、ほなコナンと違うかぁ。コナンの犯人は、殺人の動機が弱すぎるのがあまりにも多いもんね。そんな些細な理由で人殺したら絶対あかんやろっていう」
A「せやねん」
B「ほな、もう少し詳しく教えてくれる?」
A「オカンがな、思い出せなさすぎて、『あれれ〜、おかしいぞ〜』って言うててん」
B「コナンやないかい。それはもうコナン以外では出てこないセリフなんよ。今、コナンの声が脳内でクリアに再生されてるもんね」
A「わからへんねんでも」
B「何がわからへんの」
A「俺もコナンやと思てんけどな」
B「そうやろ」
A「オカンが言うには、伏線の物語やから一話も見逃せへんっていうんよ。一週でも見逃したらもうついていけへんって」
B「ほなコナンちゃうやないかい。基本的にコナンは一話完結型やねんから。一週見逃しても、次の週から何ごともなかったかのようにまた見れるのがコナンの良さの一つなんよ。繋がりを気にするのは前編・後編だけでええんやから」
A「せやねん」
B「ほなコナンちゃうがな。もうちょっと他になんか言ってなかった?」
A「おれが何か言おうとするとな、オカンが割って入って『せやかて…』ってしきりに言うねん」
B「コナンやないかい。その口調は服部平次を彷彿とさせるんよ。『せやかて』ときたら、そのあとには『工藤』が続くってのがお決まりなんよ。『せやかて工藤』、これでワンセットやねんから」
A「せやねん」
B「ただね、青山剛昌先生の原作の中では、服部平次の口からは実は一回も『せやかて工藤』っていうセリフは出てきてへんらしくて、これはコナンファンたちが作り上げた幻のセリフやねんな」
A「そんな豆知識あるんか」
B「おれにコナン語らせたら止まらんで」
A「でもオカンが言ってるのがコナンなのか、まだわからへんねんな」
B「なんでわからへんの」
A「オカンが言うにはな、このアニメに出てくる死因は大体自殺やっていうねんな」
B「ほなコナンちゃうやないかい。コナンにおいて、というかミステリーもの全般において、死因が自殺ってことはほとんどないんよ。自殺に見せかけた手の込んだトリック殺人が山ほど出てくるんやから。コナンでよく見る殺人の凶器は、ピアノ線、テグス、ボーガンと相場は決まっとんねん」
A「せやろ。だからわからへんねん」
B「ほな、もうちょっと他になんかゆうてなかった?」
A「オカンが言うにはな、ヒロイン役の女の子の髪型がおかしいらしいねん」
B「コナンやないかい。その特徴は間違いなく蘭姉ちゃんなんよ。あの変な髪型、ファンの間では『ツノ』って呼ばれてるんやから」
A「でもわからへんねんな」
B「わからんことない。オカンの好きなアニメはコナンや」
A「でもオカンが言うには、コナンではないって言うねん」
B「ほなコナンちゃうやないかい。オカンがコナンではないと言うんやからコナンちゃうがな」
A「せやねん」
B「先ゆえよ。どうなってんねんもう」
A「んでオトンが言うにはな」
B「オトン?」
A「『鬼滅の刃』ちゃうか?って」
B「いや絶対ちゃうやろ。もうええわ」
A&B「どうも、ありがとうございましたー」
おわり
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