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ランニングするときに僕が考えること

村上春樹の本にこれと似たようなタイトルがあったような気がする。

世界のハルキ・ムラカミほどではないが、僕はよくランニングをする。

ここ数年は頻度がめっきり減ってしまったが、それでも週1、2回は健康のためにジムや公園で走るようにしている。

ランニングは、ある程度の爽快感はあるものの、ただ延々と走り続けるのは辛い。走ることを考えながら走るのは、辛いのである。

だから、走るときは何か別のことを考える。

大事なプレゼンや商談、試験などの大一番を控えているときは、走りながら、本番をイメトレする。

そういうイベントがないときは、イメトレする対象がないので、ラジオを聴くことが多い。どういうラジオを聴くかというと、お笑いかニュースが大半である。また、ジムで走るときは、ランニングマシンにiPhoneを立てかけて動画を観ることもある。

今は走りながらそういう楽しみ方ができるが、昔はそうもいかなかった。そういうことができないシチュエーションがあった。

部活である。

僕は高校時代、サッカー部に所属していた。

高校サッカーは、とにかく走る。走らされる。
長短織り交ぜながらも、結局のところは「ただ走るだけ」という練習メニューが沢山あった。

部活で走るのが辛いとき、音楽を聴きながら走るというわけにもいかない。
当時、今は亡きiPodを持っていたが、部活中にiPodを取り出すわけにもいかない。

だから、小道具なしでどうにかしないといけない。

それでどうしていたかというと、ある曲を頭の中で何度も繰り返し再生していた。

ある曲とは、ズバリ、aikoの「クローゼット」である。

「クローゼット」は、人気歌手aikoの数多の楽曲の中で、あまり知られていない一曲だと思う。

突然のaikoの出現に驚かれた方もいるかもしれないので、一応説明しておこう。

高校時代に付き合った彼女がaikoファンだったため、僕もaikoの曲を聴くようになり、いつしか僕もaiko大好きマンになっていた。
同じ要領で椎名林檎にものめり込むのだが、ランニングと椎名林檎は僕の中で結びつかないので、椎名林檎大好きマン的な側面は今日は封印しておく。

そんなわけで、高校時代によく聴いていたaiko。

お気に入りの一曲が「クローゼット」だ。

歌詞の冒頭は、次の通り。

奥の奥から引っ張り出してきたノート
無造作に書かれたあなたの事
少しずつ忘れてたけどきっと
そん時は好きで好きでもう大変だった事

aiko「クローゼット」

改めて書き出して見ると、歌詞の可愛らしさが際立つ。
さすがaiko先生。

高校時代、走るとき、僕はこの「クローゼット」を脳内で再生し、エンドレスリピートしていた。

リズミカルに、「おっくっのっおっくっかっらっ♪」と、跳ねるように頭の中で歌うのである。

歌詞の一行目の一文字ずつが、ランニングの一歩のリズムと一致する。

これによって軽快な走りを実現でき、辛いときのもうひと踏ん張りが効くようになる。

aiko先生の歌のお陰で、文字通り、前に進めたのである。

もしもaiko先生に会うことができたら、「あなたのクローゼット、最高です」という切り口で、お礼の言葉を述べたい。
あなたのクローゼット、まで言ったところで、ストーカーか何かと間違われてそれ以降のコメントは聞いてもらえないかもしれないが。


フルマラソンによく参加している知人は、「メダルが欲しい」と念じながら走っているのだと語っていた。「めっだるっが ほっしい♪」というリズムで走るのだそうだ。みんな、走りながらいろいろ考えているのだろう。

あなたはランニングやウォーキングするとき、何を考えてますか?


おわり

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