今更ながら第29回電撃大賞一次通過のあれこれ
電撃大賞は過去に4回応募してるんだけど今回が初めての一次通過でした。
・1回目は結構昔に書いたやつの改稿
・2回目は2019年の令和小説大賞落選を規定枚数に圧縮しての応募(第27回)
・3回目は短編(第28回)
・今回はまた長編で一次通過(第29回)
投稿したジャンル
純粋な一般文芸?だと思う。ラノベというよりは電撃の中だとアスキー・メディアワークス文庫を狙った感じ。
主人公は男じゃないし、ヒロインにモテたり、ご都合主義があったり、転生したり、冒険したりしない。
ラノベから想像する、エンタメ小説という感じじゃないかな。
概要
現段階だと詳しく書けないけど、高校を卒業した女子がフリーターになって”いわゆる周りの人が言う”「普通」「常識」「ちゃんと」に疑問を持って、1年間のモラトリアムをいろんな価値観に触れて過ごした心境の変化を書いた感じ。
執筆期間
大体5ヶ月ぐらい。
これに関しては後述するけど12月にあることにハマってしまって、その後トータルで2ヶ月ぐらいロスすることになる。
で、スタートのきっかけは11月の後半ぐらいに小説を書くサロンメンバーと通話してて「出しましょうぜ!」みたいな話になって、そっから考えた感じ。ただ、構想のようなものはあったからそこからしっかりひねり出した感じ。
やっててよかったログライン
実は今回ほとんどプロットを書かないで書いてしまった。
プロットってのは上手く説明できないけれど、フローチャートのようなものだと思っている。
それでもちゃんと着地できたのはログラインだけがしっかり決まってたから。
ログラインって簡単に言うと、
「桃から生まれた桃太郎がおじいさんおばあさんに育てられてムラを救うために鬼ヶ島で鬼退治をする」
みたいな、一言でその物語が分かるのをログラインって言うらしい。
自分の場合はこれを最初にしっかり作ってたので、プロットがほぼなくても、道中で詰まっても行き着く先だけ決まってたので、途中の選択肢で悩む程度で済んだ。
プロットは書いたほうが絶対にいいと思うけど、でもなんか去年の自分はプロットが書けなかった。しょうがないね。
創作スタート序盤(11月~12月)
11月後半から12月の中旬頃までは割とサクサク進む。
冒頭のイメージはあったのでなんとなく20枚ぐらいは適当に書き進められた。
ちなみに電撃大賞は下限80枚、上限130枚。
1枚は42文字✕34行(本の見開きになるので1枚は2ページって感じ)。
思わぬ事故・誘惑・そして頓挫(12月~2月)
しかしここで完全にトラブルが発生して筆が止まってしまう。
ルービックキューブにハマったのだ。
ことの発端は趣味の手品。
地元のマジックバーでボランティア的な感じで気分で出演させてもらっている自分は、ルービックキューブを使った手品を習得しようとキューブを購入。そのままパズルを揃える快感にハマってしまったのだ。
そんなわけで12月の後半は手品とルービックキューブに費やすことになり、ほとんど原稿が進まなかった記憶がある。
もちろんちょこちょこ書いてはいたんだけど、この段階では「あー、原稿ちょっとやばいな―」って感じでキューブを揃えていた。
その甲斐あってか6月下旬には見事1分以内に6面を揃えられるようになった。おめでとう。
V時の追い上げと一番悩んだ時期(2月)
このあたりで危機感が戻ってきて原稿に戻る。
おぼえてないけど2月の時点で50枚ぐらいは書いていたと思うのであと30枚書けば一応応募できる。
ただ下限に達成=完成ではないし、自分はコンパクトに纏めて書くことが苦手なので、上限の130枚に到達してもおかしくないので、流石にルービックキューブを控えるようになる。
相変わらず当時の記憶はあんまりないんだけど、本当にプロットを書いていなくて展開に頭を悩ませていた記憶がある。明日のことは明日の自分に任せて、書き始めるときは昨日の自分を呪う。
そんな日々を繰り返していた気がする。
中でも一番しんどかったのか、話の展開を数パターン思いついた時。
何度もいうんだけど、プロットが存在してないに等しいので、思いついた中からどれを選ぶといいのかが全くわからない。
でも逆に主人公の気持ちになったり、その状況から自然に流れるとこうなるな―って思いながら書いたので、ある意味一般文芸というかリアリズムな作風とはマッチしたのかもしれない。
これがドラゴンを倒してお姫様を救って次の世界に行くお話だったら多分無理だったな。
先が見えない(3月)
とは言えやはり地図のない旅は厳しかった。
実は3月末に一緒に応募する人と「この日を仮締切にしてお互いにダメだししよう」みたいな日を設けてたんだけど、もちろんそれまでに完成しなかった。
「ごめん間に合わね~」って言いながら3月下旬をやり過ごす。
普通に会社づとめなので、平日書く時間も限られている。
ただ電撃の締切は4月10日で、今年は締切日込みで土日が4回あったので正直それで助かった。よかったよかった。
小説書くマシーンになった僕(3月後半~4月上旬)
と書くとなんかかっこいい気もするんだけど、執筆環境を変えただけ。
一部屋のアパートなので、持っているスタンディングデスクにノートパソコンのっけてそれで書いたってだけ。
普段はデスクトップPCで24インチのモニタ2枚で作業しているけど、色々とページを開いちゃって作業が頓挫しちゃうことがあった。
それで集中できる環境にしようと思って、あえて画面の小さいノートパソコンにフルスクリーンで原稿だけ開いてひたすら脳内にある場面を書きなぐったって感じ。
監視の意味も込めてTwitterスペースをオンにしながから
「ただ応募原稿のタイピング音が聞こえるだけのスペース」
ってのを公開して見られてると思って書いた。
一段落ついてきたところで、身内のフォロワーさんがリスナーとして来たんで少し一方的に喋ったけど、基本締め切りまでのラスト10日ぐらいは集中できる画面+スペースセルフ監視
そんな感じで出来上がったのが確か締め切り直前の金曜日か土曜日だった気がする。
お疲れ様でした。
プロットの書き方について。もはやプロットじゃない。
プロットはまったくなかったわけじゃない。
ただ”原稿を書いている時点では完成しているプロット”はなくて、
原稿が終わると同時に”完成したプロット”が出現した。
これどういうことかというと
・今日の原稿終わり!
・原稿のしたに数行次の展開を書く(明日の僕よろしく!)
・それをもとに原稿を書く。
・書いたら本日書いた箇所を箇条書きでメモ帳に映す。
というのを繰り返してプロットが出来上がったんだ。
意味がわからないかもしれないが、プロット見せてって言われたらこれを見せるしか無いのだ。
まぁ単に作業日誌みたいなやつの集大成ってだけなんだけど。
でもこの方法でも「ラスト決まってるからなんとかなるや」って思えたのでログラインさえしっかり決まっていればなんとかなるって思った。
ただプロットはかけるなら絶対に書いたほうがいいと思う。
キャラについて。一次通過より嬉しかったかもしれない。
個人的に一次創作は自分の作品のキャラを別の作品に出させるのが好きなんですよね。
実は令和小説大賞・27回電撃大賞に出したキャラを今回の作品にも登場させているんですよね
このキャラは数年前に自分の脳内に存在していたんですけど、それをかなりアップグレードして初めて文字にしたのが3年前。
その時は電撃大賞落ちちゃったんだけど、それからもそのキャラの一次創作をやってて、性懲りも無く今回も登場させたら一次通過。
俺は本当に自分が生み出したこのキャラが好きなので、電撃の一次を抜けたこともそうだけど、なんかこいつが認められたみたいで嬉しかった。子供が受験に合格したみたいな。ちなみに主人公ではないので、今度はこいつを主人公にして書いてみたいな。
1日の作業分量
これは本当にまちまちだけど、何事もなく平穏に書くと
・平日2,000~4,000文字
・土日は5,000文字ぐらい
たまにいい意味で頭おかしくなる時は平日土日関わらず7,000~1万文字って事もあったけど、まぁ大体は時間のある土日かな。
応募規定(42文字✕34行)で約110枚。文字数にして約9.4万文字書いているので、色々無視すると一ヶ月半でかけるかどうかって分量。
でも実際には他の遊びにハマったり、気が向かなかったりとか弊害のほうが多いので普段応募するってなったら4ヶ月は見てるかな(ネタが思い浮かんでプロットに着手するタイミングまで)
以前は5月・11月締め切りのGA文庫に年2回出していた時があってその頃のスケジュールは
・出したあとの1ヶ月はお休み(という名のネタ出し)
・その次の1ヶ月で大まかなプロットやら方向性やら
・残りで執筆
って感じでやってたので、自分のスペックだとやっぱり長編4ヶ月はいるかなぁって思う。
まとめ・感想
それなりに大変だったけど一次は抜けれて嬉しかった。
大変だけど好きなんで苦痛はなかったですね。苦悩はあったけどw
あと計画性とプロットも大事だけど、途中で絶対なんかあるんでスケジュールに余白を大きく作ることが一番大事だなって思いました。
ってことで終わりますね。
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