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青のくまの短編小説

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青のくまが書いた(読み切りの)短編小説のまとめです。
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#超短編小説

雨の中を歩く。[超短編小説]

雨の中を歩く。[超短編小説]

雨が降っている。
バケツをひっくり返したような、という表現があるけれど、まさしくそれだ。
昔から雨は嫌いだった。どんよりジメジメしていて、気分は暗くなるし、おまけに頭痛もする。僕にとっては最悪なことばかりだ。
雨が好きな人なんているのだろうか、なんてそんな極端なことを思いつつ、僕は傘を差して雨の中を歩き始めた。
………ああ、そういえば、昔付き合っていた彼女は、雨が好きだと言っていたっけ。
「海の水

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