マインスイーパと差別

いつ文章を書きたくなっても良いように、iPadを持ち歩いている。
いつでも本を読みたくなっても良いように、本を1冊持ち歩いている。
その他にもいつ何をしたくなっても良いようにとか、いつ何かが起きても良いようにとかの準備で、バッグの中身はパンパンだ。
休日のお出かけ時間も、会社に行く時も、鞄が重い。

それなのに結局、iPhoneでマインスイーパをやっている時間がとても多い。

ここ数ヶ月、マインスイーパをやり続けている。
家での仕事中、不安な気持ちを感じるといてもたってもいられなくなって、マインスイーパを一戦する。一戦どころでは済まないこともある。マインスイーパをやっている間は不安が解ける。
長い電車移動をすることが多いのだが、そんな時にもマインスイーパ。一瞬で時が経ち、人や音のストレスから守ってくれる。
マインスイーパはクリアすると胸がスッと透明になる感じがして、ぐわんとしためまいが一瞬する。そして、また最初からやり始める。きっと麻薬ってこんな感じなんだろうなと思う。

元々パズル系ゲームにハマりやすく、キャンディクラッシュ・ウッディパズル・バブルウィッチ・セーラームーンドロップス等々をダウンロードしては吐くほどやっていた。本当に具合が悪くなるほどやってしまうので、こういう系のゲームアプリは全て消し、もうやらないと決めている(新作のモルカーパズルは誘惑に負けてやってしまった。けれど”これはヤバいものだ”と判断し、一日で削除した。やっぱり麻薬っぽい)。

マインスイーパの前はソリティアだった。
この2種類であるのには理由がある。アプリではなく、Google検索でできてしまうからだ。Googleで「マインスイーパ」もしくは「ソリティア」と検索してみてほしい。なんと、これらはGoogle上で遊べるようになっている。これではアプリを削除もできないし、ネットに繋げられない状況に身を置くでもしない限り遊び続けられてしまう。なんてことをしてくれたんだとGoogleを恨んでいる。

ソリティアを目が痛くなるほどやっていた頃、息抜きにとマインスイーパを始めたのが間違いだった。
どちらもクリアするには運による(いわゆる運ゲー)面があるが、マインスイーパの方が考え甲斐があることに気がついてしまった。

マインスイーパをやったことがない方に向けて軽くゲームの説明をする。
これは地雷を見つけるゲームだ。
画面上にマス目があり、マスを押すと「1」や「2」と数字が出る。
これはそのマスの周りに幾つの地雷があるのかを示している。
その数字を頼りに考え、全ての地雷のありかがわかればクリア。途中で間違えて地雷のマスを押してしまうとゲームオーバーとなる。
(話は逸れるが、このゲームは好きだが”地雷”なのが怖すぎて嫌だ。うんちとかにしてほしい。)
シンプルがゆえに、とにかく中毒性が強い。やろうと思ったら何時間でもできてしまう。おすすめはしない。

このゲームで地雷のマスを押してしまう(ゲームオーバーになる)ときは大体こんな理由だ。
①見えているのに気付かなかった
②考えればわかるはずだった
③考えられもしなかった
④ただ、なんとなく
地雷のマスを押してしまう度、こう思う。
「これ、差別行動の原理と同じじゃん…」と。

例えば社会的弱者とされる人がそこにいるにもかかわらず、
①気付かない。気付かないふりをする。
②相手の気持ちを考えればわかるだろうに、嫌な発言や行動をしてしまう。
③その人の困難を想像できない。
④ただ、なんとなく嫌う。
ほら、似ていませんか。

社会にいると差別的な発言をよく耳にする。その都度できる限り反論しているが、その人が気付かない限りその人の差別行動は続いてしまう。

しかし、私も知らないうちに差別的な行動をしている可能性は大いにあり得る。
マインスイーパで地雷のマスを押してしまう様に。あっちの地雷には気付いたけど、こっちの地雷に気付かずゲームオーバーになってしまう様に。

差別的な言動・行動をしたことがない人なんてゼロに等しいと思う。人は皆違いがあり、違いを受け入れるには練習が必要だからだ。私自身、特に中学生の時の自分の差別行動をぶん殴ってやりたくなる時がある。
マインスイーパはゲームだから何度失敗しても何の問題も無いが、差別的な行動は相手を傷付けてしまう。
マインスイーパのゲームオーバーはしょうがないとしても、差別的な言動や行動はできる限りなくさなければ。
そのためには勉強をしたり考えを続けるしかないのだ。

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